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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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ざくアクワンドロ参加作品。お題は「ブリギット・メニャーニャ・マリオン」。
前半は実際にワンドロに参加して書いた作品で、後半は同じお題でとまとぴゅーれさんが描いたイラストを元に思いついて書いた話になります。

+ + + + + + + + + +

「あの、ブリギットさん。少し、お話のほう、いいですか?」
「ん? 構わないが、えらくかしこまってんな、メニャーニャ」
「ええと、素朴な疑問がありまして――あなたは本当にロボットなんですか、という」
「……ふむ。正真正銘、オレはロボットだが……素朴とは言ってもお前のことだから、あまり馬鹿にできた疑問でもないかもしれないな?」
「お聞きいただいてありがとうございます。正直言って、ロボットとは思えないくらいに自意識が確立しているなと感じまして。こうして話をしていても、完全に一個人との対話だと実感しています」
「あー、なるほど。ま、古代人も目的があってオレを作ったんだろうが、もしかしたら話し相手が欲しかったのかもな?」
「どちらかというとブリギットさん自身のほうが話し好きの傾向があるような……」
「なんだって?」
「ああ、いえ、話が逸れました。ロボットとは思えないレベルの自意識……確立度においては、マリオンさんよりも上なのではと思います」
「……マリオンも、相当なオーバーテクノロジーを感じるけどな。あの小さな身体に、とんでもない大出力を秘めていやがる」
「ですが、やや融通が利かないというか、命令には従うべしという意識があるあたりにロボットっぽさを感じますね。とはいえマリオンさんも、私がイメージするロボット像と比べると、やはり自意識が出来上がっているなとは思うのですが」
「……そういった、オレやマリオンのようなロボットを作り出せる先人の技術とやらに、興味があるわけか?」
「まあ、はっきり言ってしまえば。いつか私にもあなた方のようなロボットを作ることができたら……夢を見てしまいますね」
「……お前、いくつだったっけ?」
「歳ですか? 今は十六です」
「十六か……その歳ですでに召喚士協会トップクラスの地位に上りつめたり、魔導兵器を復元したりしてるんだよな――もしかすると、その夢も意外と現実的なのかもしれないな」
「……出来るでしょうか?」
「さあな。手が届かない夢ではないんじゃないか、とは言っておいてやるよ。ただ、少なくともオレについては、どうやって造られたかなんて覚えちゃいないからな。参考になるようなアドバイスはしてやれないぞ?」
「いえ、こうした話を聞いてくれるだけでも十分です。欲を言えば分解して構造を調べさせてほしいなと思いますが――」
「んなことしたらグレネイドぶっ放すぞ?」
「ですよね、しかも実際に分解してしまったら元に戻せるか自信がありません。ということで冗談です」
「真顔で言うなよ……」
「とはいえ、今言った夢に進むためにはブリギットさんにも協力してほしいなとは思っていますよ。分解なんてしなくても、戦闘中にその椅子やミニブリの動きを観察したりなど、いろいろと調べる方法はあるでしょうから」
「まあ、それなら特に問題ないだろうけどな」



「あれ、同輩、それにメニャーニャ? 珍しい組み合わせだな?」
「ああ、マリオンさん。ちょうどマリオンさんのことも話題に出ていましたよ?」
「そうだぜー、マリオンちゃん高性能ってメニャーニャが褒めてたぞ?」
「んなっ!? なななな、何を言うのだメニャーニャ!?」
「やめてくださいブリギットさん、私に余計な手間をかけさせる気ですか?」
「いや、今の軽い一言で手間がかかっても困るけどな。それに嘘だとは思わないし」
「まあ、それは確かに……ああ、マリオンさん、落ち着いてください」
「いったい何の話をしていたのだ……? 落ち着けるような話し方をしてくれ……」
「ええと、ですね……ブリギットさんもマリオンさんも、ロボットでありながら自意識の確立ぶりがすごいな、という話です」
「ただ、メニャーニャの見立てでは、そのあたりはオレのほうがお前よりしっかりしているらしいということだがな」
「あくまでお二人を比較した上での話です。マリオンさんの自意識も、私のイメージよりもはるかにしっかりしていますからね?」
「そ、そうだろうか……? でも、それはハグレ王国が居心地のいい場所だからかもしれない」
「ほう……?」
「……最初は、マリオンを打ち負かしたデーリッチに従うべきだと思っていたんだ。デーリッチの命令に従うのがマリオンの使命だと思っていた。でも、デーリッチはそれを良しとしなかった。マリオンと友達になりたいと言った」
「……そういや、友達十人計画なんて言って騒動起こしてたこともあったな?」
「後でデーリッチに咎められたよ。もっとも、本人も自分の言い方が悪かったと反省していた様子だったが……そのあとで、友達とはどういうものかというのを、真剣に語ってくれたんだ」
「はは、デーリッチらしいな」
「……言葉で説明するのは難しい。でも、その時、友達とはどんなものなのか、なんとなくだけどわかった気がするんだ。今は、友達が増えるのはすごく嬉しいと思うぞ」
「なるほどな……で、なんでまたえらく顔を赤くしてるんだ、メニャーニャさんよ?」
「ほっといてくださいませんかね? ……に、しても。マリオンさんの今の話……」
「どうした?」
「いえ……デーリッチさんは凄いな、と思いまして」
「ん? まあ、確かにあいつはあいつで良いところもあるが……えらく唐突じゃねえか」



(……デーリッチさんの言葉のおかげで、マリオンさんの自意識が現在進行形で成長しているのかもしれない、と思いまして、ね)



「……なんでもありませんよ」
「……ふーむ、まあ、そういうことにしとこうか」
「ニヤニヤしながら言わないでください」
「ふ、ふたりとも、ケンカはよくないぞ?」
「ああ、心配すんなマリオン。メニャーニャのはただの照れ隠しだから」
「殴りますよ!?」
「お、落ち着けメニャーニャ!? 同輩、勘弁してあげてくれ!?」
「あー……マリオンがそう言うなら、このくらいにしとくか」
「……すいませんマリオンさん、お見苦しいところを」
「ま、お詫びと言っちゃ何だが、今度駄菓子屋でサービスさせてもらうよ。今日の話は意義深かったし、お礼も込みでな?」
「本当か!? ありがたいぞ、同輩!」
「どういたしまして、ってな」
「……まったくもう。マリオンさんに免じて、ですね」
「ホントにな」
「? どういうことだ?」



(……口に出して言うのは柄じゃないが、かわいい奴だよな、ホント)
(純粋すぎて眩しいくらいですね……)





******





「……あ、芽が出てる」
「あ、おはようメニャーニャ」
「ああ、マリオンさん。おはようございます」
「何をしているのだ?」
「朝の日課をちょっと、なんですけど……見てください」
「おお? ……なんだかかわいいな、これ」
「少し前に、帝都のフリーマーケットで珍しい種が売っていたので、育ててみようかと思って、植木鉢も用意してみたんですけど」
「なるほど……これってもしかして、今日、芽が出たのか?」
「そうみたいです。綺麗な形をしていますよ」
「へぇー……」
「……マリオンさん、ずいぶん熱心に見つめていますね?」
「ああ、いや……そうか、植物の成長とはこういうものなのか……」
「あれ、知らないんですか?」
「ええと、知識としては知っているが、見たことはないな……なにせ、宇宙戦艦での暮らしが長かったものだから」
「あ、なるほど……一応、戦艦内でも観葉植物のようなものを見た記憶はありますが」
「でも、あれはマリオンが育てたわけじゃなく、最初から備え付けられていたものだしな……」
「そうなんですか? 何もしなかったら枯れてしまいますよね?」
「一応、戦艦のシステムで自動的に世話をされているはずだが……マリオンが直接触ったことは、あまりなかったと思う」
「なるほど……」
「――話していたらなんだかすごく興味が湧いてきたぞ。この植物はどんな成長をするだろうか……なあ、マリオンにも手伝えることはないだろうか?」
「そうですね……この際ですから、ちょっとやってみましょうか。と言っても、そこまで難しくはないですけど」
「本当か!? ありがたい、よろしくたのむぞ、メニャーニャ!」








「――やっべ、なんだあのかわいいコンビ……」
「何こそこそしてんの、エステル……」
「あ、マリーおはよ。いや、だって見てよアレ……」
「……メニャーニャさんとマリオンか。なんだか意気投合してるみたいだけど」
「メニャーニャのプランターにマリオンちゃんが興味持ったみたいだけどさ……なんというか、邪魔しちゃ悪い雰囲気だなって」
「まあ、たまにはいいんじゃないかな。エステル、普段はメニャーニャさんに茶々を入れては殴られてるんだし、たまには自制しないと」
「あ、ひっどい評価だなぁ……でもまあ、そうするよ」
「……特に、二人が育てている植物に余計な世話をしないようにね? 前にそれで喧嘩になったそうじゃないか。私がしっかり見張っておかないと」
「えぇー……あれは良かれと思ってやったのになぁ」
「思いっきり良くなかったじゃないか。とにかく、ここはあの二人に任せるとしよう」
「うう、はぁーい……」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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