タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。
内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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「ええと、鴨ネギそばをひとつ」
「はいよー、少し待ってくれ。にしても、好きなんだな、マリオンは」
「ああ、うん、そうだな……一番馴染んだ味になっているかも。いつも助かっているぞ、キャサリン」
「はは、どういたしまして。適当にどっか座っててくれよ」
「わかった……あ」
「――ああ、こんにちは、マリオンさん」
「こんにちは、メニャーニャ。隣、いいか?」
「どうぞ。今日はひとりなんですか?」
「他のみんなは、今日は魔王スカイツリーのボウリング大会に出かけているらしい」
「ああ、なるほど……たぶんそこで昼食も出るんでしょうね」
「それにしても、お昼ご飯にメニャーニャを見かけるのはなんだか珍しい気がするのだが」
「あれ、そうですか?」
「たまたまマリオンが見かけたことがなかっただけかもしれないが……」
「ああ、いえ……思い返してみれば、私はちょっと不規則かもしれません」
「本当か? 規則正しい生活は大事だぞ?」
「マリオンさんが言うと説得力に重みがありますね……」
「え、そうか?」
「はいよー、鴨ネギそばお待ちー」
「あ、ありがとうキャサリン」
「それ、最初は皆さんに振る舞ってたらしいですね?」
「ああ、いや……あの時のことを思い出すと恥ずかしいな。でも、なんだかんだですっかり好きになってしまった。機会があったらメニャーニャにも奢りたいな」
「……マリオンさんより後から来るべきでしたかね?」
「今日は仕方ないだろう? メニャーニャのほうが先に来ていたんだから」
「じゃあ、待ち合わせでもしましょうか?」
「待ち合わせ……約束というやつだな?」
「ええ。今日は偶然ですけど、次はちゃんと約束をするんです」
「むむ、なんだか急にわくわくしてきたぞ……!」
(かわいい……!)
「ところで、メニャーニャが今日食べているのは……オムライスか?」
「ええ。これはシャルルブルゴーニュに出しても恥ずかしくない絶品ですね」
「シャルルブルゴーニュ?」
「ああ、帝都にある高級レストランなんですよ。私、帝都でそれなりに高い地位を持っていますから、マリオンさんを招待してあげたりなんかもできますよ?」
「本当かっ!? や、やっぱりそこの食事も美味しいのだろうかっ!?」
「一流の料理人が高級食材を贅沢に使っていますからね、品質は保証しますよ……まあ、でも」
「え、どうした?」
「いえ、ハグレ王国の食堂も悪くはないというか、こちらはこちらで肩肘張らずに安心して食べられるというか」
「……ええと、高級だと緊張するけど、こちらだとそんなことはない、ということか?」
「ああ、そんな感じですね」
(……メニャーニャさん、ひとりのほうが緊張しないってことなんですかねえ)
(でも、輪に入れなくて憂鬱そうにしてることも、たびたびあるみたいだけどね?)
「――ふう、出汁が身体に染みわたるな」
「今までも気になってましたけど、マリオンさん、アンドロイドなのに普通に食事されてますね……」
「ちゃんと消化もできるし、エネルギーに換えることもできるぞ?」
「そうなんですか? ……話を聞くたび、感心せずにはいられませんね」
「やっぱりメニャーニャとしては気になるのか?」
「気になることだらけですよ。とはいっても、調査にあたってマリオンさんの嫌がることはしませんので、そこはご安心を」
「うーん、でもメニャーニャは優しいから、マリオンも出来る限りの協力はしたいぞ? まだまだいっぱい、返さなきゃいけない恩もあるからな」
「恩だなんて……知的好奇心を満たしたいだけなんですけどねぇ……」
「それならそれでマリオンも手伝いたいぞ!」
(かわいいぃ……!)
(あーもう、ミア様ったら……しかしまあ、マリオンさん、他人にはストレートだなホント)
「……正直言うと、今はこうして物を食べて美味しいと思えることに、感謝もしているんだ」
「え?」
「以前は、星の守護者としては不要な機能だと思っていた。宇宙戦艦の中でも食事を摂ることはしていたし、その食事も美味しくはあったのだけれど」
「…………」
「――誰かと一緒に食べることで、なんだかそれ以前よりずっと美味しいというか、楽しい気がするんだ」
「……ああ……それは……」
「あれ? どうしたんだ、メニャーニャ?」
「いえ……それも、私にはわかるような気がします、すごく」
「そうなのか?」
(――意外と似たもの同士なんですかね、あの二人)
(けど、マリオンちゃんにあってメニャーニャに無いもの……決定的な違いもあるわね)
「――そろそろお喋りは控え目にしましょうか。おそばが伸びちゃいますよ?」
「あ、そうだった。メニャーニャのオムライスも冷めてしまったらもったいないな」
「ああ、それと」
「えっ?」
「ミアラージュさん、キャサリンさん、ニヤニヤしながらこちらを見つめるのはやめてもらえませんかね?」
「バレてたっ!!?」
「うーん、結構位置的には離れてるのになぁ……あー、メニャーニャさん、耳赤いですぜー?」
「ほっといてもらえませんか!?」
「め、メニャーニャもオーバーヒートしてしまうのかっ!?」
「しませんからっ!?」
(マリオンちゃんかわいい……メニャーニャちゃんもかわいい……!!)
(メニャーニャさんまでちゃん付けするんですか……)
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自己紹介:
ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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