タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。
内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
+ + + + + + + + + +
――ずるずるずびー。
「ちょっとイリス、いくらなんでも音の立て方がわざとらしすぎるでしょ……」
「オー、ミアラージュ。今日もUMAカリーの世話になってマース」
「あー、それについてはとりあえず好評なわけね……にしても、普段そんなに音立てないでしょ?」
「イヤ、ちょっと考え事をナー。ちょうどユーの妹も話に出てくるトコロダガ」
「ちょっとっ!? またヘルを変な方向に誘い込もうとしてるのっ!?」
「チゲェヨ、まあ聞け。この王国って、必要以上にセクシーな格好したオンナがちらほらといるよナって話サ」
「……それはあんただってそうじゃないの」
「ハハ、まあナ。私は意図してる部分もあるし、たぶん他のヤツラもそういった格好については意識してる部分はあるんだろうケドナ……ユーの妹にしても」
「……秘密結社の総裁としてふさわしい格好を、だそうよ」
「ただでさえボンキュッボンのナイスバディだってのに、上半身の露出が多くて、なおかつ異様に胸を強調してやがるしナ……そのくせ性格はヘタレで騙されやすいと来て――ありゃ、かなり危ネェゾ?」
「あんたみたいな悪い奴に引っかかるかもしれないってことよね?」
「オーノー、容赦アリマセーン……ま、そういうことなんだが」
「……あの子の分まで私が気を引き締めればいいだけだわ。そもそもヘルがあの格好に至ったのは、私にも責任があるんだし」
「ワット?」
「交霊術の暴走で私が死んで、両親が私を蘇らせて、その両親を私が殺して――それらの惨劇を前にして、私への復讐を決意して、そのために悪人にならなきゃいけないって思って、そうしてまずは形から入った……その結果ね」
「……ユーとしちゃ、やめろとは言いづらいわけか」
「その後もなんだかんだで秘密結社は存続しているし、つらい思いをさせた分、好きなことをやらせてあげたいしね……だから繰り返すけど、あの子の緩さについては、その分だけ私が引き締める。あんたにとやかく言われるようなことじゃないわ」
「ウーン、そう睨まれちゃ、ソウソウ手は出せネェナァ」
「当たり前でしょうが。何かあったらパパの鉄槌ぶち込むわよ?」
「オーノー、炎属性の会心有り物理はノーサンキューデース……」
「……で、最初の言い方では『ヘルも話に出てくる』ってことだったけど、ほかに話題に出したい人でもいるの?」
「何人か、ナ。福の神とかむちむちポークとかフラワープリンセスとか」
「あぁー、その人たちも確かにね……」
「ハイレグだったりパンツっぽいもの丸見えのシースルースカートだったり、相当なチャレンジャーだと思うゼ……」
「イリスがそこまで言うとなると、ずいぶん重みがあるように聞こえるわね……」
「さすがに普段着ってわけじゃないらしいケドナ……福の神とむちむちポークは別のシーンで私服姿があったし、フラワープリンセスは王族としてガチガチだった頃の反動らしいし」
「でも私たちが目にすることが多いのはあの衣装よね……あー、必要以上って言葉の意味の実感がだんだん湧いてきたわ……」
「例えばフラワープリンセスはあの衣装で目を引く上に、姫サマって出自のせいか勇み足なところがあってナ……私が直接説教したこともあるが、まあ、ヘルラージュと似たような危なっかしさを感じるゼ?」
「目立つ衣装のお姫様と言えば、あんたも同じようなものなのに……こうして話してみると、ドリントルとはずいぶんと印象が違うものね?」
「ちなみに私はどういう印象ナンダ?」
「罠」
「ワーオ、ワンポイント……」
「騙されるよりも騙すほう、っていうか騙す気満々でしょう?」
「まあ、そうなんだケドナ。この格好で街を歩けば、バカなオトコが寄ってくる」
「性格の悪さってものがわかりやすいわ、まったく」
「とはいえ、この王国にいるとそんな機会ってネェンダケドナ……どいつもこいつも肝心な部分はしっかりしてやがるンダ」
「……本当にそうかしら? うちの妹に対してもそんな評価なの? 案外、あんたがこの王国のお人好しっぷりに染まってるだけじゃないの?」
「――否定したいところなんだがナー……」
「その声の勢いの弱さで察せられるわね……まあ、そもそもヘルを騙す気だったら私にこんな話をしないわよね?」
「かもナ……というか話がちょっと脱線気味ダヨ」
「あー、もともとは衣装が刺激的すぎるって話だったかしら」
「私が手を出さなくても、何かの間違いが起こりそうな気がするんだケドナァ?」
「期待してるみたいな声で言うんじゃないわよ。あの子の分まで私が警戒するって、さっきから言ってるでしょう?」
「イヤ、まあヘルラージュについてはそうだが。むちむちポークにしてもフラワープリンセスにしても、ナァ」
「……ヤエちゃんはたまに他人に変な因縁つけにいったりしてるし、ドリントルはさっき言った勇み足ってやつね? 確かに間違いが起こる可能性は否定できないわね……」
「その一方で、福の神はどっちかってーと私寄り……罠の気配があるんだケドナ」
「なんでよ。いくらなんでもあんたと一緒にしないであげなさいよ」
「イヤ、わりと真面目に言ってるんだが。元禍神だし、天界じゃ今でもその頃のアイツのことを恐れてる住人がいるようだしナ」
「時間をかけて正していくしかないでしょうよ、そのあたりは……まあ、なんであんなに目を引く衣装なのって説明にはなってないけども」
「いっそ禍神黒天服着ててくれたほうが、まだ神様として威厳あるんジャネェカって気がするケドナ?」
「威厳ねぇ……福ちゃんがそういうのを求めてるかどうかは別の話だけどね」
「……本人に直接訊いたほうが早いカナ、こればっかりは」
「――ここまで、あからさまに刺激的な衣装のオンナの話題だったケドサ」
「何よ、まだあるの?」
「イヤァ、一見普通の服着てるようだけどもやっぱり目を引くってヤツもいるよナ、と思って」
「はぁ? えっと、例えば?」
「召喚士約二名ナ。エステルとメニャーニャ」
「あ。……あー、なるほど」
「納得したカ?」
「特にエステルは確かにって思っちゃったわ……スパッツとニーソックスだっけ」
「イエス。おかげで下半身のラインがぴっちり出てやがんのナ、アイツ」
「メニャーニャも、前にドリントルが力説してたの聞いたことあるわね……」
「あの数センチで尋常じゃない勝負をかけている、ってナ」
「こうして話をしていると、あの二人も危ない気がしてきたわ……」
「まあ、性格的なことから言うと、それほど心配はイラネェダロウケドナ。なにより何かあったら私がブッ飛ばしにいってヤルヨ」
「保護者気取りかっ!!」
「他にも、やたら薄着なクセに超氷耐性持ちの雪だるまガールとか、マナジャムと鍛錬で妖精にあるまじき頭身の肉体を手に入れた氷の妖精とか、妙に露出度の高い蛮族ミテェナ格好した光の槍の巫女とか……それでもって、見た目は子供だが中身は大人なユーとか」
「まさかの私っ!? いや、対象にされてもお断りよ!?」
「イヤァ、今は今で興味深いが……ユーを見てると考えちまうよナァ」
「何をよ……今すごく警戒心が湧いたんだけど……」
「――妹がナイスバディに育ったわけだが、もしユーが真っ当に生きて大人になったら、果たしてどんなレディになったのか、ってナ?」
「……やめてよ。もう叶わないわ」
「今でも美人の片鱗は見えるだけにナァ?」
「一応は褒め言葉と受け取っておくわ……あまり嬉しくないけど。もう成長できないのにそんなこと言われても、やるせないだけだし」
「マア、今生はそうだろうナァ――せめて次に生まれ変わったときに真っ当な人生ってヤツを期待すればいいサ」
「……そういえば一応、イリスって魂の輪廻転生ってものに関わりがあったんだっけ?」
「一応ってナンダヨ、冥王の娘としてそういうものに触れもするサ。前にオマエの家族のことはなんとかしてやるって、約束したダロ」
「真面目トーンで言われた記憶はあるけど、なにせ侵略悪魔の言うことだからねー……」
「トラストミープリーズ……私にとっても美人は目の保養になるからナー?」
「そんな動機? ……ま、期待はしないし、果たして何年後の話になるやらわからないけど、覚えておきましょうか」
「何年後……十年、百年、何百年カナ? そうなると、果たしてこのハグレ王国もどうなってんだかナァ?」
「……気になっちゃって、死後の世界に旅立てないかもしれないわね?」
「それはそれでアリ、かもナ?」
「なによ、転生してほしいのかほしくないのか、どっちなのよ?」
「どっちでもオーライ♪ 私だって王国の行く末は気になるし、一方でユーの行く末も気になるってモンダ」
「ふうん? ……まあ、どっちにせよ退屈しないで済むのかしらね。歳を取らないってことは、知り合いには先立たれちゃうってことだし――そこへいくと、あんたはなんだかんだで冥界を司る存在として長く生きてるみたいだし」
「……フーム。なんだったらパートナーを務めてヤロウカ?」
「考えておくわ。相手があんただってのは憂鬱だけど、悪い話でもないかもしれないし」
「フフン、前向きな返事を期待してるゼー?」
「……なんだか思いのほか長話になっちゃったわね」
「話の方向があっちこっちに行ったナァ」
「まあ、雑談ってそういうものじゃない? 結構楽しかったわよ?」
「ハハ、こっちもナ。サンキューミアラージュ」
「ただ、これはこれ、それはそれってやつで。ヘルに変な手を出したら承知しないからね?」
「オーノー……アイシーアイシー。ユーに殴られない程度には自重するヨ」
「よろしい。じゃあまたね、イリス?」
「シーユー、ミアラージュ」
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自己紹介:
ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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