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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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イリス、ローズマリー。
自分の考察が入った内容になっていますが、あくまでも二次創作であり公式設定ではありませんのでくれぐれもご注意ください。

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「あのさ、イリス。疑問に思ったことがあるんだけど」
「オー、なんだい参謀サン? またさらってほしいのかい?」
「嫌だよ、やめてよ。ていうか私がそう望んでるみたいに言わないでよ」
「ンー、なかなかイイ触り心地ダッタゼ?」
「やめてってば、こっちはすごい恥ずかしかったんだから。それに、朝のうちに戻れたからよかったけど、下手したら大騒ぎになってたかもしれないし……」
「イヤァ……バレてたらエステルにフィールドオブファイアからのバルカンフレア喰らわされそうダナァ。ユー、誰にも言ってないのか?」
「まあね、あんまり騒ぎになったらイリスの立場もまずいだろう?」
「気を遣ってくれてるんダナ……まったく、デーリッチばっかり目立つケド、ユーだって相当なお人好しダゼー?」
「それはたぶんあの子に影響を受けてるんだと思うけどね。それに正直、あの状況まで持っていきながら私を始末しなかった時点で、イリスも人のこと言えないんじゃない?」
「ウグゥ……お互い様ってヤツカ……」
「すごい苦い顔してる……」
「……ものスゲェ私らしくネェって思うヨ。だが、なんだかんだでこの王国の人間どもに愛着が出てきてンだろうナってのは、認めざるを得ない。メニャーニャやエステルに対しては、もはや隠そうとも思わネェしナ」
「――私も含まれてるのかな?」
「たぶん、ナ」



「……あー、うん。で、改めて。ちょっと訊きたいことがあるんだけど」
「閑話休題、ッテカ。ナンダ?」
「ええと……次元の塔の冥界を探索してるとさ、イリスイメージっていうのに遭うよね? あれ、君がパーティに加わっていても出てくるんだけど、どういうことなの?」
「アー、やっぱり気になるカナ?」
「あろうことかイリス本人にも襲ってくるし、実際やられてたことあるよね……」
「あんまりほじくり返さないでクレー……氷属性と即死攻撃がメインだから私はある程度盾になれるハズなんだが、油断すると痛い目に遭うんだよナ……」
「ご愁傷様だね……」
「まあそれはともかく、なかなか良い質問ダ。まあ簡単に言えば、私の悪意が別の意思を持って具現化したモノ、ってトコロカナ」
「悪意が具現化、だって?」
「まあ、この説明を理解するにあたっては、私のパパの話から知っておいたほうが良いダロウ。メニャーニャとエステルにはもう話してあるケド」
「イリスのパパ……って、冥王様のこと?」
「イエス。パパって言ってるケド、性別なんて持ってないどころか、ゼリーみたいな不定形な存在ナンダヨ」
「え、えぇー……?」
「ま、イメージしてもらうなら、真っ黒なマザースライムって言うのが一番ピンと来るんじゃないカナ?」
「いや、自分の親をそんな風に例えちゃっていいの?」
「わかりやすさ優先なんだから別にイインダヨ。で、そのゼリーみたいな体が何で構成されてるかって言うと――生き物の業ダ」
「業……罪とかそういうもの?」
「ソウダナ、あらゆる生き物のそういったモノを背負っているのが冥王という存在で……そして私はその娘ダ」
「……ああ、うん、なんとなくわかってきたよ。イリスも冥王様と同じ性質を持っているってことかな?」
「似たような、ナ。厳密に同一ってわけじゃない。とはいえ、私を構成するモノについて理解できるなら、ユーが言ってるあのイメージの正体もわかってくるだろうサ」
「うーん……それはそれでまた疑問が。あのイリスイメージって何回でも出てくるけど、今の話を聞くと、倒しちゃっていいのかな?」
「バカ、そもそも完全に殺す気で襲い掛かってくるんだから、撃退するしかネェダロ。さっき私がアレにやられたことあるって言ってたクセに」
「あ」
「私に影響があるんじゃないかって心配なら、一切必要ネェヨ。生き物が存在する限り、業も悪意も無くなることはない。冥界という場所でなら、アレは倒しても倒しても無限に湧いてくるゼ?」
「なるほどね……うん、わかった。ありがとう」
「ドウイタシマシテー」



「……と、悪いけどもうひとつ疑問、いいかな?」
「ンー? ナンダイ?」
「今度は魔法書のほうなんだけど、そのまんま君の異名を冠した『手繰る魂のイリス』って魔法があるよね。これもパーティに君がいる状態で普通に使えちゃうんだけど……」
「目の前に私がいるのに『悪魔イリスの力を借りて~』っていうのが腑に落ちない、ッテカ?」
「あー、うん、そんな感じ」
「まあ、確かに疑問には思われるカナ……あの魔法は私の力というよりも、私の持つ鎌の力と認識してくれたほうがいいダロウナ」
「というと?」
「――私の鎌には、相手の首を確実に刎ね飛ばす力がアル。ひとたび名前を宣告して鎌を振れば、どこに逃げようが、同じ星の裏側に居ようが、逃れることは絶対に不可能ダ」
「なにそれ、怖っ!? ……あー、でも確かに、魔法の効果と似ているかも。状態異常に即死が含まれてたっけ」
「イエス。さすがに巻物で覚えられる魔法のほうはスケールダウンしてあるケドナ」
「今言った効果が誰でも使えたら大惨事だよ……」
「それと、私もその力をハグレ王国の連中に振るうつもりはナイ。コレは誓わせてもらうヨ」
「悪魔の誓いかぁ……うん、でも私は信じるよ」
「サンキューローズマリー。ケド、やけにあっさりダナ?」
「まあ、この前さらわれた時にね……下手したらあそこで私の命は終わってたけど、実際は何もしないでいてくれただろう?」
「オイ、何もしないってことはなかったダロ」
「あはは、まああれはあれでちょっと勘弁してもらいたいけどね……とにかく、今の誓いに関しては、私はあの件があるから信じてもいいと思ってる」
「…………」
「……あれ? イリス、どうし――」



 ――ぎゅむっ。



「うわっ!? ちょ、ちょっと!?」
「――サンキューベリーマッチ、ローズマリー」
「イ、イリス? 急にどうしたの?」
「まったく、ますますヤキが回っちまうゼ……」
「ど、どういうこと?」
「……私は悪魔ダ。他人の苦しみや悲しみを喜びとする、悪意ある悪魔ダ」
「……うん」
「――それなのに、オマエが私を信じるって言ってくれて、何か、込み上げてくるものがアル」
「……なるほど、ね」
「ハグレ王国は私が奪う。私のものにする――私以外のものには、させない」
「――困るなあ。ハグレ王国はデーリッチを中心とした、みんなのものだよ。イリスひとりのものじゃない」
「だったらその『みんな』とやらも全部ひっくるめて、私のものにしてやるサ」
「やれやれ……やっぱり警戒しないといけないかな?」
「……顔、ずっと笑ってんゾ、ユー。わかってて言ってるダロ?」
「さあ、どうだろうか? とにかく、これからもよろしく頼むよ、イリス」
「オフコース。世話になるゼー」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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