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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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イリス、エステル、メニャーニャ。
とまとぴゅーれさんが描いてくれた私服イリス様のイラストをきっかけに書きました。

+ + + + + + + + + +

「えっと、待ち合わせ場所はここでいいんだよね、メニャーニャ?」
「ええ、そこそこ人は多いですが、待ち合わせ場所としてはわかりやすいと思いますよ」
「まあ、私たちにとっちゃ帝都は慣れてるけどさ。向こうはどうなのかなー?」



「ドントウォーリー♪ 待たせたカナー?」



「……へっ? ど、どちらさま?」
「いや先輩、話し方や顔でわかるでしょう……そこまで時間は経ってないですよ、イリスさん」
「え、ええー!? いつもと全然格好が違うっ!?」
「フフン、ナイスリアクション♪ オシャレしてみた甲斐がアリマース♪」
「なんだか男性的な格好をされていますね……とても良く似合っていらっしゃいますが」
「イケメンがいるぅー……なんかちょっと衝撃がすごいんだけど」
「今日はユーたちとのデートだからナ、気合入れてきたんダゼ? いつもの格好だと目立つしナ」
「いや、今の格好も十分目立つんじゃないかなぁ……?」
「それは私たちが見慣れてるのとは違う格好だから衝撃が大きいだけじゃないですかね。イリスさんのいつもの格好は奇抜さで目を引きますけど、今の姿はそれと比べると良い感じに落ち着いていますよ?」
「よく冷静に解説できるなぁ……」
「対照的に、エステルはいつもの格好ナンダナ?」
「東の世界樹にピクニックに行ったときも、ローズマリーさんともどもいつもの格好でしたね……」
「あー、うん、動きやすいし気に入ってるのよね、これ」
「けど、それしか持ってネェノカヨ、ユー」
「失敬な。プールの監視員やるときはちゃんと別の服着てただろー?」
「こういう場面用のよそ行きの服とかは持ってないんですか?」
「気に入ってるんだってば。え、もしかしてメニャーニャはそういうのを気にしていつもと装いを変えてるの?」
「ユー、先輩のくせに鈍いナ……」
「なんでっ!?」
「よそ行きというのもあるが、コイツは帝都じゃ有名人ナンダロ。いつもの姿じゃすぐに素性がバレちまう」
「あー……」
「――まあ、ガールらしい服を着て、ツインテールじゃなくてストレートな髪型のメニャーニャってのも、新鮮で良いモンダナァ?」
「……イリス様のイメチェンに比べれば、大したことはないですよ」
「謙遜するなヨー。ウリャ♪」
「うわっ……ちょっ、肩組まないでくださいよ!?」
「あー、イリスずりー! 私も、うりゃっ!」
「わっ、ちょっ先輩、危ないですって!?」
「フフン、メニャーニャイズベリーキュート♪」
「メニャーニャちゃんかーわーいーいー」
「いいかげんにしろーっ!?」



「――ゲフゥ……」
「ちょ、ちょっとは容赦しろぉ、メニャーニャぁ……」
「すみませんが、加減ができるテンションではありませんでしたので!!」
「攻撃力が鍛えられてるからシャレになりまセーン……」
「ほら、お二人ともさっさと立ってください! 目立ちますから!」
「転がしたのはあんただろぉー……」
「よせエステル、また殴られるゾ……」
「まったくもう、私はともかくイリスはあんまり転がしてやるなよー? せっかくのイケメンさんなんだからさー」
「でしたらお二人こそもう少し容赦していただきたいですね……」
「さっきのは好意のスキンシップなんだがナァ……ま、気をつけるとするサ」
「ストレートなのは苦手みたいなのよねぇ、この子」
「私の目の前でそういう話をしやがりますか、お二人とも」
「オーノー、ビークール、メニャーニャ」
「これ以上殴られたらデートどころじゃないよ……」



「――ところで、シノブはどうしたんダ? 誘いはしたんダロ?」
「あいにく、今日は先約が入っていたそうで……」
「マリーと苔キャンプだってさ。すっかりノリノリでついていっちゃって」
「何度聞いてもシュールなフレーズダゼ……まあ、それなら仕方がないカナ?」
「仕方ないで済ませちゃうんだ……」
「イヤ、実は王国図書館で二人組の様子を見たことがあるんダガ、シノブ曰く、ローズマリーの苔知識が世界樹の研究に役立つかもトカ、前に聞いたことがアル」
「あー……納得できるような気はしますね」
「実際、シノブが出版してる世界樹シリーズの本ナ、最近は苔コーナーも載ってるんダゼ? やたらと精密に解説してあるんだよナ」
「え、イリス、そういう本読んでんの?」
「まあナ、侵略先の世界の情報を知るのも大事なことダゼ?」
「おいこら、シノブの本を読んでそういうことを言うな」
「言わせろバーカ。実質私もハグレみたいなモンだからナァ、冥界と同じように活動できるわけジャナイ」
「……イリスさんは、私たちとは比べ物にならないほどの魔力をお持ちのはずですが」
「バット、消費した分がすぐに回復できるかっていうとそうじゃない。いくら許容量が大きくても、外から補充できるモノが少なけりゃ意味がないダロ?」
「あー、そっか……それはイリスが言うと説得力あるなぁ」
「オイ、今思い浮かべてる場面は忘れろヨ」
「やーだよー、弱いところ見せたイリスなんて珍しいんだから。しかも私やメニャーニャじゃなくプリシラ相手ってのが、よりによってっていうかさ?」
「一番弱みを見せてはいけない相手ですよ……?」
「眉間に皺寄ってんゾ、メニャーニャ……まあ、悪いヤツじゃないと思うケド」
「イリスがその評価をするってのも、なんか変な感じだねー」
「悪いヤツ……のはずなんだケドナァ、私。ま、今日はそういうのはナシで行こうゼ?」
「そうですね、そろそろ行きましょうか」
「どこ行くかは決まってるの?」
「デパートに行きたいデース。この時期だから見ておきたいモノがアリマース♪」
「ありゃ、イリスからのリクエストかぁ……そんじゃま、行きますか?」
「イェーイ♪」
「何でしょうかね、そのノリは……」





******





「あー、チョコレート売り場かぁ……」
「バレンタイン商戦、ってヤツダナー。ま、ウチの国は男どもが少ないが」
「まあ、私はここにはお世話になりますけど、イリスさんはいいんですか?」
「ワット?」
「冥界でもギフト用のチョコを用意してたりとかは」
「アー、オフコース。私の屋敷にももちろんパティシエはいるが、帝都の職人の技術とやらにも興味がアリマース♪」
「……今のイリスだと、もらう側に回ってもあまり違和感がないわよねぇ」
「ンー? エステル、プレゼントしてくれるのかい?」
「義理でいいならね?」
「オゥ、ツレナイネー……でもまあ、ここの高級チョコなら手を打ってやってもいいカナ?」
「いや、まだ買うって決まったわけじゃないからな?」
「まあ、私からはプレゼントさせていただきますけれども」
「メニャーニャ早いっ!?」
「ソーハッピー♪ ならいっそのこと、冥界チョコと交換と行こうカナ?」
「あ、それいいですね。食べ比べてみるのも悪くないかも」
「あちゃー、この流れだと私も買わないわけにいかないじゃんか……」
「こんな時ぐらいケチるなヨ。シノブやローズマリーにも配ってやりナ」
「はいはい」
「……あ、ていうか今ちょっと思いついたが」
「ん、何?」
「高級チョコと安物チョコを買いこんで、射的屋特別バージョンってのもアリかもしれないナ?」
「ふむ、それも面白そうな試みですね」
「高級チョコほど獲得難易度が高いってか。……ズルするなよ?」
「ドーデスカネー?」
「おいこら」
「イヤァ、かと言ってそう簡単に獲られちゃ困るのは事実だからナ、多少の仕掛けはさせてもらうサ。前はどんな景品でもさっぱり倒れないってところを怪しまれて失敗したんダ」
「開き直ったな!?」
「まあ、ある程度ゲーム性を考えてバランスを取るということですよね」
「上手くやれば正規価格よりはるかに安くゲットできマース、ってナ?」
「いいのかなぁ……」
「ぶっちゃけそれでも出血大サービスの感は否めないケドナ……ゲームのキングアンドクイーンのおかげでサ」
「あっ」
「……それを承知の上でやるんですね?」
「イエス。逆にもってけドロボーくらいの気持ちでいたほうが、こっちも楽しめるかもって最近は思ってる」
「記録がどこまで伸びるか気になってるんだっけ?」
「結果として貢ぐ格好になってますよね」
「しょうがないサ、イロイロとナ」
「諦めて受け入れやがれー」
「オゥマイゴッド……」



「で、ドースル? メニャーニャはまあ、王国だけじゃなくて召喚士協会の分もだから、多めに買うとして」
「確定ですか……まあ買いますけど」
「イリスもまあ、さっきの射的屋の話からして高級チョコ買ってくのよね?」
「イエス。安いほうは冥界から調達してくるケド、高級チョコは帝都のネームバリューがあったほうが客ウケ良さそうだし……ア、それとは別個で一品」
「一品? なに、誰かに渡すの?」
「マッスル」
「へ? ……………ごめん、もう一回」
「ニワカマッスル」
「へっ??? ……そ、そーりー、りぴーとわんもあぷりーず」
「筋肉ダルマのミノタウロスだっつってんダロ、コノヤロウ」
「え、ええ、えええーっ!!!? ななななななななんで!!? どうしたのイリス!!?」
「ウルセェヨ!? ちょっとしたタワムレってヤツダヨ」
「なに企んでるんですかイリスさん」
「別にー? 普通に渡してやるサ。どんな反応しやがるか楽しみダナァ?」
「あ、悪い笑みを……」
「ある程度の想像はつきますけど」
「だとして、別にコレについて私は悪いコトしてるワケでもなんでもないしナ?」
「た、確かに何も文句は言えないわ……けど、イリスがマッスルにってだけで衝撃が大きすぎる……」
「からかうのもほどほどにしておいてください、イリスさん」
「オーケー、上手くやるサ。で、エステルはどうするンダ?」
「さっき言ってたじゃん。シノブやマリーの分も含めて、配る用にいくつか買ってこうかな。ハグレ王国にはお世話になってるわけだし」
「配る用に、ネェ。隣のヤツには特別なの買ってやらないのカ?」
「へ? ……あ、いや、ちょっと、いきなり何言うのさ!?」
「今更なに慌ててヤガル。こんな時くらい素直にくっついとけヨ、じゃないと私がさらっちまうゾ?」
「あの、イリスさん、こういう人通りの多いところでそう言われると恥ずかしいんですが」
「まあ、ユーたちはそういう性格だったか……バット、アピールは必要デース♪」
「うー……あー、でもなぁ。さっきの王国にお世話になってるって話」
「ン?」
「――初めてハグレ王国に関わってからすぐ後に冤罪被せられてさ。いろいろあってハグレ王国にかくまってもらって、そのまま居着いて……もうこの時点で忘れられないくらいの恩があるわけだけど」
「……フーム」
「しばらくして、シノブから冤罪が晴れたって知らされたわけだけど……それ、メニャーニャが手伝ってくれてたこと、当時の私は全然知らなくてさ。後輩が頑張ってくれたのに、ろくに恩返ししてないなぁって」
「……恩返しならもうされていますよ。先輩が手を引っ張ってくれなかったら、私は潰れていたと思います。こうしてここに立っていることもなかったでしょう」
「いやいやまぁまぁ、遠慮すんなよ。ちょうどバレンタインだし、良い物プレゼントさせてちょうだい?」
「……そう、ですね。わかりました、ありがたくお受けします」
「やっぱりオマエラ仲良しカップルジャネェカ……」
「いや、そういう方向に持ってったのあんただろ、なに渋い顔してんのよ」
「アーハイハイ、ゴチソウサマデース」
「だいぶなげやりになりましたね……ああ、でもちゃんと死後はついていきますから大丈夫です、イリス様」
「おいメニャーニャ、当然のように言うな」
「ククク、ずいぶん不利ダナァ、エステル?」
「負けないっ……!!」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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