忍者ブログ
タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
[134] [133] [132] [131] [130] [129] [128] [127] [126] [125] [124]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

イリス、デーリッチ。おまけでローズマリー、エステル。
リーダーとしてアピールしたい国王様の話。

+ + + + + + + + + +

「いち! にー! さん! しー! たい! がー! たき! たて!」
「オイ、ナンダその掛け声……」
「あ、イリスちゃんおはようでちー!」
「グッモーニン。キングデーリッチ、今日はトレーニングデスカー?」
「そうでち! アタッカーとして目立つためにがんばってるんでちー!」
「オゥ……ユー、本職はヒーラーダロ?」
「だからってリカバーパンドラのイメージしかないのはリーダーとして納得いかないでちっ……! タイガーモードまで身につけたのに! デーリッチは回復薬じゃないんでちー!」
「役じゃなくて薬カヨ……上手いこと言いましたネー」
「上手くないでちよ!?」
「マァマァ。だったら、ちょっと私が揉んでやろうカ?」
「ほえ? イリスちゃんが? ……え、デーリッチひとりで!?」
「ビークール。なにも最初に戦った時みたいな本気は出しまセーン。氷の力はナシ、その代わりコイツを使わせてもらうけどナ」
「大鎌っ!? そっちのほうが危なくないでちか!?」
「とは言っても、私にとっちゃ一番手慣れた得物ですからネー。刃は当てまセーン、保証シマース」
「本当でちかぁ……?」
「――それに、アタッカーを名乗りたいんなら、今の私程度は恐れずに向かってこないとネー?」
「む、むむむっ……! そう言われちゃ黙ってられないでちっ!」
「オーケー。じゃあ、試合準備と行きましょうカ? 審判役も呼ばないとネー?」





******





「なんかすごいことになってるような……」
「パッと見たら下克上を疑いそうなところだけどねえ。とうとう国王を直接叩きに来たかっていう」
「ただ、それにしてはイリスのほうが予防線をたくさん張ってたっていうか」
「で、マリー、あなたもあっさり受け入れてるわよね?」
「まあ、こういうときのイリスは信じてもいいかなと思ってるし……お互い様だろ、エステル?」
「あはは、まあね。本当にやばくなった時に止めに入りましょうか」
「ヘーイ、お二人さん。スタンバイオーケー? やばくなったらファイアくらいは許しマース」
「イリス側が止められること前提の台詞だねぇ……」
「むむむっ! こてんぱんにしてやるでちー!!」
「そっちも準備がいいみたいだね。じゃあ、位置について」
「ふんすっ!」
「オーケー、レッツスタンバイ」
「――はじめっ!!」





******





「――きゅううう……」
「フフーン♪」
「あーあ。勝負ありかぁ」
「イリスの余裕の勝利だったね……というか、思ってた以上に鎌さばきがすごかった」
「な、なんででちかぁ……? 攻撃力だってデーリッチのほうが高いし、タイガーモードまで使ったのにぃ……!」
「まだまだデスネー。いい筋はしてるんだけどナ?」
「びえっ……!!」
「おい、今のイリスが言っても逆効果だってば」
「思ったままを言っただけデース。ただ、攻撃が素直で読みやすかったからナ――残念デスガ、これじゃ危なっかしくて前には出してあげられマセーン」
「うわ、はっきり言った」
「うううぅぅ……やっぱりデーリッチはダメリーダーなんでちかぁ……?」
「コラコラ、そこまで卑屈になるなッテ。むしろユーがリーダーだからこそ、今のは言わせてもらったんだからナ?」
「ふえ?」
「ふむ。何か考えがありそうだね?」
「ま、聞いてくれヨ。デーリッチの目指すような、積極的に前に出てメンバーを引っ張るようなリーダー像もアリっちゃアリだが、コイツはそういうタイプじゃない」
「だよねー。やっぱりみんなのデーリッチのイメージって言ったらヒーラーだしさ」
「――それも、オープンパンドラなんてとんでもない技を持つヒーラーナンダヨ」
「ん? ……やけに実感込めてない?」
「込めなきゃいけないダロ。味方として頼もしいのはもちろんだが、私は敵としてその恐ろしさを知っている」
「あ、なるほどね……イリスが言うと説得力があるな」
「私が魂を手繰ろうが、マリオンがメテオを落とそうが、マオが大魔王球を炸裂させようが――オープンパンドラの一手で、きれいさっぱり無かったことにされちまう」
「ふえぇ……?」
「落ち着いてきたナ? ――まさにキングとしてふさわしい技じゃないか。もっと誇っていい、むしろ誇りやがれ」
「……うわー。今のイリス、優しすぎてまぶしい……」
「茶化すんじゃネェヨ、エステル。……他のメンバーも、ユーのオープンパンドラがあるからこそ、倒れても大丈夫だ、デーリッチがなんとかしてくれるって強気に出て、敵に向かっていけるンダ。それはまさに、リーダーとして頼られてると思わないカ?」
「ふおぉ……!」
「同時に、別の思いも生まれるワケダ。『自分が倒れてもなんとかなるが、デーリッチが倒れたらおしまいだ』ってナ」
「倒れたのが一人だけとかなら、私や福ちゃんあたりでもまだカバーはできるけどね」
「オープンパンドラは全体全快強化蘇生だもんなー。一発逆転って意味ではなかなか並ぶものは無いんじゃない?」
「わかるか? 要するにユーは『後ろに座して仲間のピンチを颯爽と救う』タイプのリーダーナンダヨ。キングが後ろに控えてるから思いっきり戦える――ユーは十分すぎるほど、リーダーの役割を果たしている」
「そーそー。雑魚は私が先手を取って薙ぎ払うからあんたに攻撃は届かせないし、ボス相手は防御を気にせず思いっきりぶつかってやるからさ。それはあんたを頼りにしてるからこそなんだぜ、デーリッチー?」
「え、えへへ、そうなんでちかぁ……?」
「やれやれ、二人ともおだて方が上手いんだから。……デーリッチ、君は立派なリーダーだよ。今更君を疑う者なんて、王国民には誰一人いない」
「って、実のところ一番疑ってそうなのが、そこのイリスだけどねー?」
「オイコラァ!? そこで私を下げるなヨ!?」
「えー、だって侵略諦めてないんでしょう?」
「それとこれとは別の話にしろヨ……」
「ふえー、イリスちゃんとエステルちゃん、仲良しでちねぇ……」
「今の姿見て言ってくれるナ、キング……ま、ユーのおかげなんだけどナ」
「ふえ?」
「いーりーすー、かおあかーい」
「ウルセェ!? これ以上言うと凍らすゾ!!?」
「おー、やるかー? 逆に燃やしてやるわよ!」
「まったく……また審判しなきゃいけないかな?」





******





「……イリスちゃん、ありがとうでち」
「オゥ?」
「イリスちゃんの言葉は肝に銘じておくでち。でも、それはそれ、これはこれ、今日のリベンジはいつか果たしてやるでちー!」
「オゥ……こっちにも火を点けちまったカ」
「大変だね、イリス?」
「まあ、いつか相手にしてやるサ。今はこの煉獄ピンクにお灸を据えてやらなきゃナ……!」
「ふふん、ただじゃ済まさないわよー!」
「あー、二人とも。さすがにやり合うなら場所を移動するからね?」
「あ、止めないんだマリー」
「……イエス。従いマース」
「冥界のイリスちゃんの部屋に行くでちか?」
「そうだなぁ……思いっきりやるならそこがいいだろう」
「オーケー。パンドラプリーズ」
「おうでち――ゲートオープン!」
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧可能にする    
プロフィール
HN:
こうと
Webサイト:
性別:
男性
自己紹介:
ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright (c) ざくアクSS保管庫 All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]