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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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カテゴリはイリスと福ちゃんですが、誰が主なのかと言えばローズマリーさん。

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――王国お土産屋にて――

「イリスさん、また香辛料の量がすごいですね……こっちまで匂ってきますよ?」
「アーハ、私は激辛が好きなのサ。ま、これでも前より量は控えてんダゼ? このカレーそのものの味もそこそこいけるからナ」
「うふふ、ドリントルさんもPRキャラクターになった甲斐がありますわね」
「以前のカレーは普通すぎたからな、それだったら香辛料ドバッといっちまったほうがマシなくらいだったが、これはなかなか……っと、そういえばオマエの要望で作られたヤツ、アレも結構いい仕事しやがるナ」
「ああ、福神漬けですか? 天界ではカレーを食べるには必需品と言ってもいいくらいなのですよ?」
「そもそもカレーがあんのかよ、オイ。ま、ウメエんだけどサ。一回、天界のメシの食べ歩きもしてみたくなるナァ」
「激辛イリスさんのお好みに沿うかどうかまではわかりませんけどねー」
「その言い方ってなんか私が食の評価に厳しいみたいジャネーカヨ。辛口じゃなくたってウマイモンもあることぐらいわかってるッテーノ」

「……すっかり仲良さげだね、君達」

「あら、ローズマリーさん」
「なんだ、オマエもこれからメシかー?」
「まあね。しかし君達と時間が重なるのは珍しいな」
「ソウカー? と思ったが、確かに今まであんまり見た記憶がネーナ」
「どうされます? 一緒でもいいですよ?」
「いや、私はこれから注文するところなんだ。実際のお昼にはまだ少し時間がかかるかな」
「そんなの別に構わネーヨ。たまには一緒におしゃべりしようゼー?」
「何故だろう、イリスから誘われると無条件で警戒感が」
「オイオーイ、それひっでぇナー。ま、無理強いはしねえけどヨ」

「…………」

「……? ローズマリーさん、どうされました?」
「ナンダ、急にしげしげと見つめヤガッテ」

「いや。……福ちゃんと、イリスが、二人そろって……」



「これがホントの福入り娘、ってね?」



 ――ヒュゴオオオォォォォォ!!!!



「きゃあああっ!!?」
「グハアアッ!!?」

「え、ええー!!? ちょ、なんで二人とも吹っ飛んでるんだ!?」

「な、なんというおぞましい冷気……た、耐えられませんわぁ……!!」
「グッ……こ、これが伝説の極大氷結魔法、ダイヤモンドブリザード……ま、まさかテメエが習得していやがったトハ……!!」

「いやちょっと何言ってんの、特にイリス!? あ、ちょっと待て、しっかりしろ、ていうか納得いかないんだけど!!?」

「ふ、ふふ……イリスさん、まさか、このような瞬間まで、共にするなんて、ですね……」
「アア……ソウダナ……死ぬ時は、一緒、ダ……」



 ――がくっ。



「こらああああーー!!? 二人そろって妖しい雰囲気を醸し出して逝くなぁーーっ!!?」





――その後、図書室にて――

「……いいんだ、どうせ私にボケの役割なんて一切求められてないんだ……それどころか私のボケは人の命を奪う非情なる言霊なんだ……おとなしくツッコミに専念していればよかったんだ……」

「ロ、ローズマリーが怖いでち……なんか近寄りがたい雰囲気を醸し出して、壊れちゃってるでち……!」
「改めて、自分の駄洒落の破壊力を思い知っちまったんだろうな……福ちゃんとイリス、氷耐性のある二人がそろって瀕死の重傷を負って、集中治療を受けたくらいだからな……」
「いやヅッチー、達観してる場合じゃないでちよ!? ローズマリーがこのままじゃ、王国が立ち行かないでち! なんとか元気を取り戻してあげなきゃ!」
「そうは言っても、ローズマリーの駄洒落の寒さは今に始まったことじゃないし、あれを治すのは相当難しいしなぁ……」
「うー……どうしたらいいんでちかね……」
「どうしたらいいんだろうなあ……」



「……苔であっさりシノブ先輩を信頼した場面は、かなり貴重かつ衝撃的なボケシーンだった気がするんですけどねぇ……」
「それはローズマリーさんにとってはボケじゃなくて、苔が好きすぎて大興奮しているだけなんじゃないかしら……」
「……確かにそうですね。というか、苔キャンプについていった人の言葉だけに説得力がありますね、シノブ先輩」
「最初は本当に、何を言っているのか理解できない、このビッグモスマリーの苔の知識の前には私など宇宙の塵に過ぎない、なんて思ったもの」
「いや、ビッグモスマリーって、またとんでもない渾名を……にしても、先輩さえ圧倒するほどだったんですか」
「ええ、そうよ。……でもその苔キャンプをきっかけにね、ローズマリーさんのことをもっと知りたいと思って。そのためには苔についての知識を深めることがそのひとつなのかしら、とも思ってね」
「……結局、シノブ先輩もマニアックな世界に足を突っ込んじゃったんですね」
「そうね。……でも、もうひとつ、いいきっかけになったと思うわ」
「……何の、です?」

「この世界はまだまだ、私にとっても知らないことがたくさんある、と知ったことよ」

「……まさか苔がきっかけとは……」
「でも実際、ローズマリーさんに追いつこうと苔についていろいろ調べてるんだけど……本当にね、知らないことばかり。そして、知っていくのがとても楽しい――久しく忘れていた感覚だったわ」
「……魔道の巨人にとっても、まだまだ知らないことばかり、ですか」
「科学の悪魔と呼ばれているらしいあなたにとっても、でしょう? メニャーニャ。……というわけであなたも一緒に苔のことを知ってみない?」
「いえ、それは結構です。沼ですから」
「あら、つれない……」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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