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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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プリシラ、ベル、マーロウ。
タイトル通りこちらの話の続きになります。

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「道具屋、話がある」
「え? ……いや、マーロウさん、どうしていきなりそんなにピリピリしてるんですか?」
「自分の胸に聞いてみろっ!!」
「ひええええ!!? け、剣はしまってーっ!!?」
「貴様、クーと仲良くしておきながら別の女と出かけたそうだなっ!? やはりこんなケダモノにクーはやれん、そこになおれっ!!」
「またこのパターンですかーっ!!? だ、だれかーっ!!?」



「はいはい、だれかさんのご登場ですよー?」



「プ、プリシラさん助けてーっ!?」
「はーい、とりあえず私の後ろにどうぞー。マーロウさん、落ち着いて」
「む、むむむ……プリシラ殿、どういうつもりだ!?」
「落ち着いてくださいってば。その『どういうつもり』については全部説明しますから。あ、でも最初に一番大事なことを」
「何だ!?」
「……ベルさんに非は一切ありませんからね。あんまりおいたが過ぎるようでしたら、ケモフサ村、締め上げちゃいますよ?」
「う……」
「プ、プリシラさん、顔に影がかかってますぅ……」
「ああ、ベルさんまで怖がらないでくださいー。今の私はベルさんの味方ですから」
「あ、ありがとうございます……」
「む、むう……」
「――そもそもベルさんをデートに誘ったのは私のほうですよ。ベルさんの第二の故郷を案内してもらいたくてですね」
「む? 第二の故郷というと……ベルは確かザンブラコの出身だったな?」
「そうです。そのザンブラコを巡って、ベルさんと私はわだかまりがありましてね。それを解消しておきたかったんです」
「……今は僕も妖精王国の皆さんには感謝しています。ある意味ではケモフサ村と同じですね。おかげでザンブラコは以前よりも賑わっていますから」
「あ、改めてご案内ありがとうございましたベルさん。今後もちょくちょくたこ焼きのお世話になりにいきますね♪」
「あ、ぜひぜひ!」
「む、たこ焼き屋?」
「ああ、ベルさんの養父の人が営んでらっしゃるんですけど、絶品でしたよ。マーロウさんも、せっかくですからクウェウリさんをお連れになって、頂いてみるといいですよ♪」
「え、えへへ……プリシラさんがそこまで褒めてくれると、僕も鼻が高いですね……」
「あ、ベルさんここで顔赤くするのは危険ですからやめてください。マーロウさんが青筋立ててらっしゃいます」
「あ、はい、すいませんっ!!?」
「いや、私もすまん、言われたとおりの反応をしてしまったが、さすがに大人げがないな……今のは身内を褒められたからだろう?」
「そ、そうですけど……」
「……悪い癖だと自覚することはあるのだがな。私にとってクーは大事な娘で、心の支えでもある。そう簡単に手放したくはないものだ……一度敵対してしまったから、なおのことな」
「――そのお気持ちはよくわかりますよ、マーロウさん。私もヅッチーと命懸けで争いましたから」
「む?」
「……ハグレ王国と妖精王国は、一度、戦争に至ったことがあります。その当時の私の気持ち、そして妖精王国全体の気持ちとしては『こんなに頑張っているのに、どうしてヅッチーは私たちのほうを振り向いてくれないのか』というのがあったと思います」
「……ザンブラコに来たばかりの当時のヅッチーは、どっちかというと当時の妖精王国のやり方に難色を示してましたよね。僕にはそう見えました」
「どうも、私たちがザンブラコの人々を困らせていると映ったみたいでしたね。まあ、現在は良好な関係を築けていますので、それは置いておいて」
「ふむ……」
「今でも私にとって一番大事なのはヅッチーです。ヅッチーこそが私の心の支え。それは戦争をして一度打ちのめされて、いろいろなものを自覚して、一層そう思うようになりました」
「……なるほど、確かにそこは共感できますな」
「だから時々、ヅッチーが私を置いて他の子と遊びにいっちゃうのは、嫉妬したくなっちゃったりもするんですけどねー?」
「プ、プリシラさん、シャレになってませんよ!?」
「あはは、まあこうやって口に出す分には冗談ですから。ただ、ベルさんが誠実で頑張り屋さんなのは……それこそ私はこの前のデートでよく理解させてもらいましたから。安心してヅッチーを任せられるというか、むしろ迷惑をかけてないか心配になるというか」
「あ、あははは……」
「……いや、まったくだ。少し考えてみれば、ベルが頑張っているということなど明白だというのに。道具屋を営み、時にはその足で行商をして、時には子供同士で遊びに行って……そればかりでなく、劇場や名画座で看板役者として人気を集めていて」
「それでもクウェウリさんのことになると頭に血が昇っちゃうんですねぇ?」
「……まだまだそう簡単にクーはやれんぞ、道具屋!」
「ついでに呼び方も変わっちゃうんですねぇ……面白い変化ではありますけど」
「こっちは命にかかわりますぅっ……!!」
「まあまあ、ベルさん、そんなときは素直に誰かに助けを求めなさいな。大抵の人はちゃんと助けてくれると思いますよ。それもベルさんの人柄の成せる業ですから」
「は、はい……」
「いや、だが、それはそれとして、今回はすまなかったな、ベル。プリシラ殿も、今後もケモフサ村のことをよろしくお願いします」
「いえいえ~。こちらこそ今後ともご贔屓に♪」
「はあぁ……た、助かったぁ……」
「……ベルさんにはどうか幸あれ、ですねぇ」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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