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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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タイトルどおりイリス様メインのSS3本まとめ。
水着イベント第3話のネタバレを多分に含みますので、クリア後の閲覧を推奨します。

+ + + + + + + + + +

「ゼニヤッタ、結局タイムオーバー分の報酬は支払ったのか?」
「ええ……国王様を騙すような真似は、私にはできませんわ。私のお金からお支払いしましたので、イリスさんも文句はありませんわよね?」
「まあナ、私は関知しないから好きにすればいい……と、言いたいところだが。一つだけ」
「何でしょう?」
「――別の人間の顔を立ててやりナ。今のデーリッチは、秘密結社の構成員のひとりに過ぎない」
「……わかりましたわ、どのみち同じことですから。ヘルさんのような人を騙す真似も、私にはできません」
「ユーシー。別に忠誠心を否定するわけじゃないが、ユーも勧誘されたんだろう?」
「ええ、しばらくは秘密結社の一員として働くつもりです」
「私も対価はもらったからナ。しばらくは尽くしてやろうじゃないか」
「尽くす、ですか……むしろ先ほどの忠告からして、イリスさんのほうが帰属意識が高いのではないですか?」
「ハハッ、そうかもナ。なんだかんだ、あいつらがいなかったら私は結婚させられてたかもしれないし」
「あの騒動は一番良い形に収まった、と言っていいのでしょうか?」
「秘密結社にとっては、だな。誰も死なずに……アー、ネルソンは仕方ないとして」
「そのうち復活されるんでしたっけ?」
「力はあるやつだからな、心配はいらない」
「……それを差し引いても。イリスさんも、ちゃんと勇者の方の話を聞いて、命は見逃してあげましたよね?」
「そりゃ秘密結社との約束事だしな。それが無かったら殺っちまってただろう」
「ふふ、そうでしょうか?」
「……ナンダヨ」
「いえ。イリスさんもハグレ王国に来てから、幾分かはお変わりになられたようで」
「…………」
「あら、どうされました?」
「ナンデモネーヨ。トークはおしまいだ」
「わかりましたわ。しばらくは秘密結社の同士として、改めてよろしくお願いしますね」
「……フン」





******





「えーっと、これをこうして……」
「ヘイ、そこはこういう風にしたほうがいいんじゃないか?」
「え、こう? ……うーん、これはちょっとえげつないんじゃない?」
「今更気にする問題じゃないダロ。今までのスキルだってえげつないヤツはあったろ、ソウルスティールとかバジリスクアローとか」
「あー、そういえば……」
「おい、なんでそこでこっちを見るのじゃ」
「だって今言ったのって特技書ダロー? オー、コーヒープリンセスはコワイデスネー♪」
「風評被害じゃろ!? そ、それを言ったら魔法書だって、最近ひどいのが出てきたではないかっ! ロッティンミストとかいうやつ!」
「敵全体を毒と麻痺に侵す熱風を起こす魔法だっけ……確かに言ってみるとひどいなぁ」
「かといって今更使い方を間違えるユー達じゃないダロ? 味方にぶっ放さなきゃノープロブレムデース♪」
「信頼されてるんだか、方便なんだか……」



「――というか、どういう風の吹き回しなんじゃ、イリスよ」
「ワット? 暇だからこうして手伝ってやっているだけデスヨー?」
「その行動自体がおぬしのイメージとかけ離れておるんじゃが……やけに秘密結社に献身的じゃな?」
「まあ、こっちとしては目の届く範囲に居てくれるのは助かるし、スキル生産も捗ってて大助かりなんだけどね」
「それでも……言い出したのはわらわじゃが、まさかイリスと共同作業に当たることになるとは思わなんだわ。イリスが王国に来たばかりの頃を思うと、なおさらな?」
「オー、アイシー……ベリーワンダホー」
「なんだかんだで王国にも馴染んでるのと……それにも増して、秘密結社活動は精力的なほうなんだよね、イリスは」
「ハンバーガーがやたらと売れておるのが気がかりじゃが……」
「文句言われる筋合いはないからナ? グルメフェスでハンバーガーを売る、至って真っ当な活動デース」
「しかも売上げの一部やおすそ分けも秘密結社に回してくれるし……」
「確かに文句のつけようがないわなぁ……むむむ」
「ちなみに今度、ヘルシー志向や魚介系のハンバーガーも発売予定デース。ケモノピンクガールやリューグーガールにもご協力いただいてマース」
「うわぁ、本格的だ……」
「クウェウリやレプトスにも話を通したのか……うむむ、これはますます止められぬなぁ」
「ハンバーガーには無限の可能性があるんダゼ? もうひとつ、ウサギニンジャとの協力でB級志向に突っ走ったバーガーも考えている」
「あー、確かに相性良さそうだね」
「ううぅ、B級と言われると心が揺らぐ……悪魔相手にそんなことはあってはならぬぅ……」
「無理すんな。実際のところ、デーリッチやヅッチーなみにちょろいダロ、ユー」
「ひどいっ!!?」
「アックマンチョコの件を思い出すと否定できないなぁ……」
「ローズマリーまでっ!!?」
「別に私に降れとは言わないが、欲望には素直なほうがイイゾ? 我慢のしすぎはストレスってもんだ。私だってやりたいようにやらせてもらうデース」
「やりたいように、か……まあ、結果として秘密結社に尽くしてくれているんだから、感謝しなきゃいけないね」
「フフン、もっと頼りにするデース♪ ただ、役職をくれたり冒険に連れ出したりしてくれると、もっといいんだけどナ?」
「それはヘルちんに言ってよ。私とドリントルだって今はフリーだからスキル生産に回ってるんだしさ」
「見かけたら声をかけにいってみるカナァ? できれば参謀長の役がほしいデース」
「そうなるとわらわ達がおぬしの元に着くわけか……うーむむむ」
「しかし上には上がいるのデース。ヘルラージュの指示には従いマスヨー?」
「とか言って、うまく丸め込んだりとかせんじゃろうな?」
「オー、信用ナイデスネー……まあ実際に私は前科者だからナァ」
「そうじゃよ、デーリッチとヅッチーを篭絡しようとしおったじゃろ!?」
「さりげなく当時のヘルちんも巻き込まれてるんだよね……」
「まあ、丸め込むとは言わないまでも、方針に口を挟むくらいはするさ。実際に参謀長に任命されたなら、そういうのが役割だからな?」
「あ、真面目口調だ」
「……なんだかんだ、おぬしは実力ある冥王姫なんじゃのう?」
「悪魔社会も簡単じゃないんだよ。同じ悪魔でも敵同士だったりするし、この前みたいにパパを討とうと血気盛んな人間もいるし」
「うわ、さらりと悪魔社会の裏事情を聞いてしまった……」
「わらわの星とは違う意味で複雑そうじゃな……」
「けど、ユーと私も根っこは変わらないだろう? プリンセスでいるために相応の実力が求められるって部分は」
「あー……いや、どうじゃろ。今はよくわからん」
「オイ、なんだソレ」
「いや、イリスには話しておらんかったか。わらわはハグレ王国に来る前はドリンピア星の政争のせいで逃亡生活をしておってな。その最中に次元のゆがみに巻き込まれて次元の塔に飛ばされて……そこでハグレ王国と出会ったのじゃよ」
「オウマイゴッド、そっちもそっちでなかなか複雑ダナ……」
「それでも……実力があれば逃亡などせずに迎え撃つこともできたかもしれんなぁ。まあ、今はハグレ王国や秘密結社の活動が楽しいし、なるようになれ、って感じじゃが」
「……フーム」
「うん? どうした、イリス?」
「なあ、ドリントル。ドリンピア星のヤツは、今もユーを捜しているのか?」
「……わからん。救難信号は出しておるが、わらわの星の者は音沙汰がないな」
「そうか。それこそテイクイットイージー、だな。……何だったら、ユーが政争に立ち向かうのに、私も力を貸してやろうかって思ったんだけどナ?」
「なんじゃと?」
「同じプリンセスとして、力になれないことはないと思うぜ?」
「……申し出はありがたいんじゃが、やめておくよ。いや、おぬしが悪魔だからということではなく、な。気持ちだけは受け取っておくとしよう」
「そうか。ま、気が変わったらいつでも言いな」
「覚えておこう」
「……なんだか私の入る余地がなかったなあ」
「オー、ローズマリー、置いてけぼりにして申し訳ないデース」
「いや、それはいいんだけど。イリスってそんなにお人好しだったっけ?」
「まあ、今のは自分でもそう思うけどナ。まあ、悪魔らしくないと言われても、やりたいようにやらせてもらうとするさ」
「……やれやれ。おぬしのことをどう思えばいいのか、いよいよわからなくなってきおったわ」
「どうなんだろうナー。こうやってユー達と仲良くすることも侵略の一環かもしれないゼ? 気を許した頃にブスッと、なんてナ」
「確かにおぬしならやりかねんが、さっきの言葉を聞いてからのそれはわざとらしすぎるぞ?」
「わざとらしいって思われるくらいにお人好しのほうに傾いてんだな、私の印象」
「そんなわけで、頼りにしておるからな、冥王姫よ?」
「オーケー、こちらこそよろしくデース♪」
「同盟組んだみたいなシチュエーションだなぁ……」
「秘密結社の仲立ちで生まれた絆デース♪」
「あ、なんかそう言われると恥ずかしい……」
「わらわも聞いていて恥ずかしいぞ……まったく、イリスはオープンすぎんか?」
「水着なんだから普段よりもっとオープンに行くデース!」
「あ、上手いこと言いおった。ローズマリーも見習うべきじゃな」
「え、なんでそうなるの?」





******





 ――カラカラン♪



「いらっしゃいませ――あ、イリスさん、ジュリア隊長。お待ちしてました」
「ハロー、プリシラ♪」
「あー、ここで隊長呼びしてくれなくてもいいんだけどな?」
「すみません、さん付けだとしっくり来なくて」
「フフン、慕われてるじゃないか」
「まあ、それなら悪い気はしないね」
「今日は2階にお部屋を取ってありますので、案内しますね。じゃあアシュテル、今日は後のことお願いね?」
「はいよー。ゆっくり羽を伸ばしておいでねー?」





「――改めて、海岸防衛戦お疲れ様でした」
「ああ、二人ともよく頑張ってくれたよ。……メンバー全員は呼ばなかったのかい?」
「紅茶神とゼニヤッタとリューグーガール、それと私たち三人じゃホワイトカラーとブラックカラーで綺麗に分かれてマース」
「おいおい、私はブラックカラーなのか?」
「否定はさせないゾ? ついこないだ、ローズマリーを振り回してたそうじゃないか」
「あぁ……からかい甲斐があるもので、つい」
「あはは、実際に隊長は弁も立ちますし、今日は付き合ってくださいよ」
「まあ、そのつもりで来てるんだけどね」
「単純な戦闘力じゃユーはそれほどでもないんだが……統率力とか指揮能力は大したモンダナ」
「おお、いきなり褒めにきたな?」
「そりゃナ。私でさえ、ユーの指揮に従っていれば安心して戦えるって実感したから」
「安心して戦えるっていうのはそれだけじゃないですよね。隊長が盾になってくれるから、私たちは思う存分に攻撃に回れますし」
「ははは……なんだかむず痒くなってくるな」
「たぶん、ジュリア隊長じゃなかったら切り抜けられなかった気がしますよ?」
「――それは私に限ったことじゃない。きっと、誰ひとり欠けてもダメだった。イリス、プリシラ、君たちだってそうだ」
「……綱渡りだったナァ。正直、途中でユーの隊が援軍に来てくれなきゃ、ヤバかったぜ?」
「間に合ってよかったよ。犠牲なしというわけにはいかなかったが……」
「でも、最小限に抑えられたのは、イリスさんの働きが大きかったです」
「ああ、そうそう、話は聞いたよ。一時的に指揮を執ったんだってね?」
「プリシラがパニックになっちまったからナ……ったく、今考えりゃまったくもって私らしくない」
「あれ、そうなんですか?」
「というか、ユーたちだってここまで話してて忘れてるダロ。私は悪魔で、しかも冥界からの侵略者なんだぞ?」
「ああ、なるほど。その割には、少なくとも防衛戦では完全に私たちサイドに立ってくれていたね」
「思い返してみれば、あの時のイリスさん、ものすごく救援意識が高かった気がしますね……しかもそのために、普段はあまり使わない必殺技のシーンをこれでもかと見ましたし」
「……多くの隊員が救われた事実がある。海岸警備隊長として礼を言うよ。ありがとう、イリス」
「ハァ……悪い気がしない自分がいるんだよナァ。悪魔って何だったっけ」
「とうとう自分で言っちゃいますか?」
「言いたくもなるサ。まったく、ハグレ王国も秘密結社も、この私までお人好しにしちまうんだから、恐ろしいところデース」
「ああ、そういえば。イリスさんも秘密結社の借金返済に随分とご協力をなさったようですね?」
「レアジュエルを集めやすくする能力があるんだったか。で、プリシラ商会はジュエルでの返済も受け付けていたと」
「おかげで参謀長としてこき使われマシター。悪いこと企む暇もなかったデース」
「うーん、実際に参謀として非常に頼もしいですから、仕方のないことかもしれませんね? プリシラ商会の参謀の座も、いつでも空けておきますからねー?」
「入らないからナ? 私にも冥王姫としてのプライドってものがある」
「あら、秘密結社はいいんですか?」
「そっちは一時協力ってやつダ。ユーたちもそうだろう?」
「まあ、私は海岸警備隊に復職するつもりだし」
「私にもプリシラ商会がありますしね。とはいえ、私としてはイリスさんの名参謀ぶりを本当に実感させられましたから、加入してもらえないのは本当に惜しいです」
「――気持ちは受け取ってやるけどナ。ユーとしちゃ、トップの座を渡す以上に最大限の評価をしてくれているってことは。参謀というポジションこそ、私が一番働ける場所だと、そういうことだろう?」
「ええ、イリスさんのような人が右腕として居てくれると、本当に助かるんですけどね」
「……今回の件では脆さが出たナ。ユーはヒョウヒョウと笑っている時は怖くて強いが、想定外の事態にはショックが出るようだ」
「上手い具合にイリスが埋めてくれたようだな。そういう人物を傍に置ければ、君もまたリーダーとして十分な資質を持っていると言っていいだろう」
「……でも、まだまだお二人にはかないませんね。取り乱さないようにしたいです」
「そうは言っても、トラウマを思い出したんダロ? 戦場で足を止めちまうのはどんな理由があろうと致命的だが、克服だってそう簡単なことじゃない。そもそもどんなにリーダーが優れていようが、戦争ってのは一人で勝てるものじゃないんだからナ」
「私も、ティムールと戦っているときはさすがに不安になったよ。どれだけ攻めても向こうは倒れる気配を見せなかったし、むしろ相手に踊らされていた気がしてしまってね。最後はただただ運が良かっただけなのかもしれない」
「――ジュリア、それでもユーだって何も間違っちゃいないだろう。ユーの選択は全問正解だったと言ってもいいが、現実はクイズじゃない。正解を選び続けたってどうにもならないこともあるし……あるいは正解を選び続けたからこそ、最後の最後で幸運を引き寄せたって考えることもできるだろう?」
「……なるほど、そういう考え方もありか。ふふ、君に励まされるとはね」
「もういっそ今は忘れてくれヨ、私が悪魔だってのはサ」
「そのほうがいいかもしれませんねー。イリスさんって、見た目も悪魔らしい特徴が見当たりませんし」
「そうだな、ただのセクシーナイスバディで意外と面倒見のいいお姉さんだ」
「オイヤメロ、今スゲエ鳥肌が立ったゾ!?」
「おお、いい反応をしてくれるじゃないか」
「あ、隊長、スイッチ入っちゃいました?」
「オゥマイゴッド……」
「いやあ、こうかわいい反応をされると、つい」
「ヤメロォ……マリオンと同じ目に遭わせてくれるな……」
「イリスさん、オーバーヒートしたら溶けちゃうんじゃないですか?」
「おお、それは困るな。プライドオブハーデスを撃った時の様子を思うとシャレにならない」
「やめるデース……やめるデース……」
「ふふ、あー、こういう気の抜けた会話をするのも楽しいですねぇ」
「ん、どうした? 少ししんみりしていないか?」
「えっとですね。あの、隊長、唐突な話になるんですけども」
「うん?」
「防衛戦の前に、海岸警備隊の備品の、プリシラ商会のロゴについての話、したじゃないですか」
「ああ、あれは改善するように言っておくよ。スポンサーとして大変助かっているからね、要望には応えなきゃいけない」
「ありがとうございます。ですけど、あの時の私、態度がきつかったですよね。すみませんでした」
「あー……いや、別に気にしてないんだけどね?」
「正直なところ、今回の件でイリスさんやジュリア隊長の頼もしさを見て、嫌われたくないなぁって思っちゃって。お二人から学ばなければいけないことも、いっぱいありますから」
「――普段、辣腕を振るってやがるからナァ。そのおかげでプリシラ商会の隆盛があるのは事実だが……ユー自身、嫌われ者だって自覚はあるみたいダナ?」
「でも、実際には私も誰かに支えてもらっている。マクスウェルが起こした巨大魔物戦争の時はエルフの女王様に助けてもらったし、先の戦いだってイリスさんのおかげで立ち直れて、作戦提案をジュリア隊長に後押ししてもらいました」
「……戦死者のことを随分と気にしていたな。実のところ、責任感が強くて優しい人だと思うよ、君は」
「でも、それに引っ張られすぎていたとも思います。だからこそ、隊長の言葉は胸に響きました」
「『責任の所在は後にしてくれ』だったか。そういやトゲチークでも言ったんだっけか?」
「おや、イリスも知っているのかい?」
「というか、ビデオ持ってんだろ、ユー。『トゲチーク密着! ジュリア隊長の名場面集』とかいう」
「いや、ここでそれを持ってこられるとちょっと恥ずかしいんだけど」
「さっきのお返しダ、甘んじて受けやがれ」
「んん? 何だったらイリスも見るかい?」
「ノーサンキューデース……」
「あら、あえなく返り討ち」
「ていうか自分で話題に出しといて何だけど、そのビデオってまともに見れる奴いるのかヨ……閲覧注意シーン多数じゃネェノ?」
「ああ、そこはカットしてあるから」
「編集まで念入りに……っていうかいつどうやって作ったのかはもう突っ込まないほうがいいんでしょうねぇ」
「閲覧注意はティムールの件もあったし、しばらく見たくないデース……」
「……あれはちょっと、まったく勝った気がしない終わり方でしたね」
「結局、侵略してきたリュウビトはアリウープ殿の掌の上で踊らされていたに過ぎなかったわけか」
「リュウビトの殲滅こそが真の目的だったとはいえ、もっと上手いやり方を考えやがれデース。おかげで海岸警備隊に無駄な犠牲が出ちまった」
「あまりこちら側に情報を知らせすぎると、リュウビトに警戒されるかもしれなかった、という意味では一応の筋は通っているんだが……」
「そんなのこっちが考慮してやる必要ネェダロ。大小は関係ない、犠牲が出たって事実だけでこっちにはアリウープを責める権利がある」
「……追及する意味も含めて、竜の島に赴くことになるわけですね」
「私たちのうちの誰かもメンバーに選ばれるかもしれない。しっかり準備はしておこうゼ?」
「そうだな。それにしても、イリスもイリスで随分と海岸警備隊のことを気にしてくれるじゃないか」
「ナンダヨ、悪いカヨ」
「いいやまったく。むしろそれなら死んでしまった者も少しは浮かばれるだろうし……いっそ君をスカウトしたいくらいだよ」
「ハア? 悪魔を警備隊にって、頭おかしいんじゃネェノ?」
「辛辣だなぁ……しかし種を蒔いたのは君自身だぞ? 今回の活躍で君のファンになった隊員多数だからな。特にヒーラー君とアーチャー君がお熱だ」
「ウゲェ、そいつらは覚えてるゾ……頭おかしいのは私のほうだったゼ……」
「隊長ー、先に目をつけたのは私なんですから、横取りしないでくださいよー?」
「ははは、なんならプリシラ商会の広告塔として警備隊で活躍してもらおうかな?」
「勝手に話を進めるなデース!!?」
「えー」
「えー」
「えージャネェヨ、まったく……むしろそんなに人気だっていうなら、侵略の足がかりにさせてもらうデース」
「おっと、具体的には?」
「隊員の胃袋をハンバーガー漬けにしてやるデース。秘密結社の厨房を借りて、ケモノピンクガールとリューグーガールも誘って、ありったけのハンバーガーパワーを叩きつけてやるから、震えて待ってろデース!」
「やる気満々すぎるっ!?」
「うわー、耐えられる気がしないなー、これは警備隊もなすすべがないなー」
「棒読みっ……!?」
「プリシラ、ユーも料理できるんダロ。せっかくだから手伝ってもらうゾ?」
「ああ、もう、わかりましたよ……私もせめてお墓参りくらいは行きたかったし、いい機会かもしれません」
「ははは、ありがとう。いつでも歓迎するよ」
「はい。隊長もイリスさんも、今後ともよろしくお願いしますね」
「ヨロシクしてやるデース」
「こちらこそね。とりあえずは美味しいハンバーガーを待ってるから」
「腕によりをかけて作ってやるから期待してろデース!」
「ほんと、悪魔って何なんでしょう……」
「何なんだろうな?」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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