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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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イリス、プリシラ。
グラフィックを見たらこのお二人の目の色が同じであることに気づきました。

+ + + + + + + + + +

 ――じぃっ。



「オイ、距離が近すぎるゾ」
「すいませんね、こうするとよく見えるものですから」
「キスでもしてほしいのか?」
「それは遠慮します。目的は口ではなくて、あなたの目ですから」
「目? マイアイズ?」
「そう、目です。とても綺麗な翡翠色をしていらっしゃる」
「……言葉をそっくり返すゼ。お前の目だって翡翠色をしているジャナイカ」
「ふふ、お揃いですね?」
「今まで意識したこともなかったけどナ……」
「お揃いよしみで今度、トルマリン亭で働いてみませんか?」
「隙あらば勧誘してくるのヤメロ、まったく」
「残念ですねぇ……イリスさんのような、透き通るような美人の方が戦力になってくれたら、売り上げアップ間違いなしなんですけど」
「悪魔に言う言葉じゃネェゾ」
「そうですねぇ、でも見た目だけだとあまり悪魔には見えないものですから。何回か言いましたけど」
「まあ、確かによく言われるが」
「――同じ悪魔のゼニヤッタさんなんかは、まず角っていうわかりやすい特徴がありますけど、それ以外にもうひとつ、ああ、悪魔なんだなって思わされる要素があるんです」
「……なるほど、目ダナ。アイツの目は血のように真っ赤だった」
「それでも普段は柔和な雰囲気をまとっていらっしゃるのは、人柄のなせる業でしょうか?」
「時折垣間見せはするが、アイツは悪魔とは思えないくらいに優しい奴だからナ」
「そこへ行くと、イリスさんとは真逆ですよね?」
「見た目は悪魔らしくもなんともないのに、悪魔らしい悪意を滲ませている、ってか?」
「そうなりますね。そのお姿が罠として機能しているのでしょうが……それを差し引いても、イリスさんの姿には透明感があると感じます」
「――見せかけサ。実際の私の本性は、王国の連中も何度か見ているはずダ」
「泥、ですか?」
「イエス。魂を手繰るときの私の姿――獲物に永遠の眠りをもたらす、おぞましきものをナ?」
「……ふふっ」
「ナンダ。笑うところじゃないゾ」
「いえ。でもそのおぞましき力を、あの夜、私たちの世界を守るために、惜しげもなく振るっていただいたじゃないですか」
「いい加減に私をお人好し方向に持っていくのをヤメロ。私以外に奪われるのが我慢ならなかっただけダ」
「ふふ、そういうことにしておきましょうか」
「まったく……というか、お前には言われたくないナ」
「え、なんですか?」
「お前だって私と同じ翡翠の目を持って、透き通るような美しさを持っているクセに、その中身はなかなかに悪魔じみてやがる」
「ふふ、ありがとうございます♪ イリスさんのそのお言葉は褒め言葉ですよね?」
「褒めてネェんだけどナ……もしかすると私より遥かに、この世界に悪名を轟かせているんじゃないのか?」
「心外ですねぇ……妖精王国のため、ひいてはこの世界のために頑張っているだけなのに」
「帝都やエルフ王国はトラウマになってるって聞いたゾ?」
「うーん、解消してもらうためにももっと頑張らないといけませんねぇ」
「解消させる気あるのかヨ……」
「それはそうですよ、抱えないに越したことはないんですから。……と言いますか」
「オゥ?」
「トラウマ、に関して。私はあなたに救ってもらった部分もあるんですよ? イリスさん」
「……ああ、そうか。そうだったな、プリシラ」
「ふふ、やっと名前を呼んでくれましたね?」
「……シット。我ながら入れ込みすぎダ」
「お気持ちには答えないといけませんね。何かありましたら、商会を挙げて力をお貸ししますよ?」
「ギブアンドテイク、だな。悪魔同士、利用しあうとするか」
「んもう、私は妖精ですよ?」
「どうだか。蝶々よりも蝙蝠の羽のほうが似合うんジャナイカ?」
「私はこの羽のほうが気に入ってますけどね?」
「……ま、透明感があって美しいのは確かだが」
「あら、ありがとうございます♪」
「……お互い様ダナ。さっき見せかけだとは言ったが、透き通るように美しいって言うんだったら、この姿のままで居てやるサ」
「ふふ、何回ありがとうって言えばいいんでしょうね。今のお姿のイリスさん、私は好きですよ?」
「ヘイヘイ、ドーイタシマシテ」
「ちょっと、なんで棒読みなんですか」
「どうせ序列はヅッチー以下ナンダロ」
「あ、そうですね」
「シット、即答カヨ……」
「んー、だからといってイリスさんが欲しいことに変わりはありませんけどね。ね、商会で働いてくださいませんか?」
「ノー。そう簡単に折れてやらないからナ?」
「ざーんねん……でも諦めませんからねー?」
「ハァ、好きにシヤガレ……」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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