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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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マリオンちゃんかわいい。

+ + + + + + + + + +

 きりきりきりっ。きりきりきりっ。きりきりきりっ。

 ぱーぷー♪

 しゃーん♪

 どんちゃっちゃっ♪



 ――うむ。何度見ても飽きない。それどころかずっと眺めていたくなる。
 本当に、ミアラージュは良い仕事をしてくれた。ちょっと価格は高かったが――いや、こうして手に入れられた今となっては安いくらいだ。
 マリオンをモチーフにして、こんなにいいものを作ってくれるなんて。ああ、とても幸せな気分だ。ハグレ王国に来てよかったと、心から思える。
 きっと、こんな気分は宇宙戦艦に篭もっていたままだったら、味わえなかったかもしれない。なんだか笑顔が止められないぞ。
 あ、ゼンマイ止まった。回さなきゃ――





「……………………」
「……ものすごい形相ですぜ、ミア様。店番しっかりしてくださいよ」
「む、無茶言わないでよ……あんなかわいいもの目の前で見せ付けられて、平常心でいられるわけないでしょう……?」

 本当は叫んで抱きしめたいくらいなのに、こうやって声を抑えて会話をする自制心を保っているだけでも、褒めてほしいものだ。店番をしている手前、騒ぐわけにもいかないし、タガは外れそうだけど実際に外れて行動に出てしまえば、待っているのはマリオンちゃんのオーバーヒートだ。

「まったく。ミア様だって今にもオーバーヒートしそうじゃないですか」
「……そうね。私ゾンビだから実際に体温が上昇したりとかはしてないけど、多分生前だったら大変なことになってたわ」
「かといって、マリオンさんに別の場所でやってくれ、なんて言うわけにもいきませんしねぇ……」

 ハグレ王国お土産屋。私達で開発した多数のお土産が並び、今では多くのお客さんで賑わっている。飲食を含めてくつろぐことも可能であり、実質的には公共スペースにもなっている。
 マリオンちゃんは自分をベースにした特産品を眺めているだけで、特に周りに迷惑をかけているわけでもない――それどころかその姿は言葉では言い表しようもないほどかわいくて、本人は気づいていないけれど、周囲からはとても心温まる目で眺められている。

「……無理だわ、これ以上我慢できないから、別の方法でどうにかしてくる。キャサリン、店番お願いね!」
「あ……はいはい、わかりましたよ。まったく、しょうがないんだから」

 キャサリンの呆れたような、けれど許容するような笑顔に見送られ、私は早足でお土産屋を後にした。





「……というわけでヘル。今すぐ等身大のマリオンぐるみを作ってくれないかしら!?」
「え、と、等身大? べ、べろちゃんみたいな??」
「そうよ! ミニチュアもかわいいけど、等身大サイズだって間違いなく売れるし、ねえ、お願いよ!!」
「そ、そこまで言うなら……というか、べろちゃんの時はキャサリンちゃんが内緒でお願いしてきたのに、お姉ちゃんが直接って……マリオンちゃん恐るべしね……!」
「かわいいんだからしょうがないじゃない! ヘルだってそう思うでしょ!?」
「……あ、でも」

「今そうやってはしゃいでるお姉ちゃんも、見た目相応ですごくかわいいわ?」

「んなっ……ななななななあっ!!?」
「そ、そんなに驚かなくても……!?」
「ふ、不意打ちやめなさいよヘル! とにかく頼んだわよ!!」

「……お肌の色は変わらないのね。でも、ゾンビじゃなかったら耳まで真っ赤にしてたんだろうなあ……ふふ、お姉ちゃんかわいい。さて、そんなお姉ちゃんのためにも……お仕事の依頼、頑張るとしましょうか♪」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
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