忍者ブログ
タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
[24] [23] [22] [21] [20] [19] [18] [17] [16] [15] [14]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

マオちゃんとエステル、メニャーニャ。
この話は3つに分かれております。その2 その3

+ + + + + + + + + +

「うーんうーん……マオちゃんこわい、マオちゃんこわい……」
「何まんじゅうこわいみたいなこと言ってるんですか先輩。こないだは可愛らしさに身悶えてたじゃないですか」
「それはお前もだろめにゃーにゃー……いや、うん、マオちゃん可愛いんだけどさあ……」
「……何です?」
「……あんな可愛いなりしてるけど、凶悪な力持ってんだよな、っていうのを改めて思い知ってさ……今日、夢に見ちゃって」
「あー、それは……夢という形で実際に体験したことがフラッシュバックしたと、そういうことですか?」
「そんな感じだなあ……フレイムガードとサモナーズマント着けて、金剛シールド構えて、フレイムウォール張って防御して……」

「そこまでやったのに大魔王烈波で一発で吹っ飛ばされた、っていうところでがばっと目が覚めちゃったんだよね……」

「……ご愁傷様です……」
「いや、うん、夢にまで出るとなると相当キツイんだわ……改めて自信をへし折られた感じがする」
「いつかの私みたいですね……マリオンさんと対峙した時のことを思い出しますよ」
「そうなの?」
「可能な限りの雷属性の防御体勢を整えたのに、その上からマリオンSストレート一発で撃沈した記憶がありますので」
「うげぇ……それもキツイな……」



「なんじゃなんじゃ、噂されとるかと思えば、揃いも揃って不景気そうな顔しとるのー」



「あ、マオちゃん、おはよー……今日も可愛いわねー」
「可愛い言うな、ていうか今のおぬしに言われると皮肉にしか聞こえんわ」
「ええと、会話、聞かれてましたか?」
「うむ、ある程度はな。そうやって恐れてもらえるのは魔王冥利に尽きること……なのじゃが、安眠妨害レベルまで行くとなると、フォローしたほうが良いかのう」
「え、フォローしてくれんの?」
「……というか正直、わしからすれば、エステル、おぬしは相当に厄介じゃったぞ。結局のところ、わしがハグレ王国に負けた原因のひとつは、おぬしの存在もあるわけじゃし」
「……ストレートなフォローですね」
「そりゃまあ、評価は素直に行きたいしな。おぬしらはパーティを組んで挑んできたのじゃから、誰かが倒れても他の誰かが耐えていればそれでよかろう、じゃろ?」
「んー、まあそうなんだけど……炎の防御には自信があったからさー」
「かと言うて、おぬしはもともと魔術師であって壁役ではなかろう。あの戦いで真に厄介じゃったのは、何といってもフレイムウォールに守られしマッスル、これに尽きる」
「……さすがにあの場面のマッスルはイケメンだったと認めざるを得ないわー……」
「とはいえ、おぬしの貢献も決して小さいものではない。胸を張って良いのじゃぞ?」
「……んー、ふふ、ありがと、マオちゃん。ちょっと元気出たよ」

「あー、それと、メニャーニャよ」
「はい? 何ですか?」
「いや、マリオンとも話をしたのじゃがな。マリオンも、わしがエステルに抱いたのと似た印象を、そなたに対して抱いておったようじゃぞ」
「ええ……?」
「はっきり言ってしまえば『メニャーニャのサンダーウォールは実に厄介だったし、その守りを得たヅッチーには全然攻撃が通らなかった』そうじゃ」
「……ああ、なるほど。確かに今の話とそっくりですね」
「そして、じゃ。この二つの事実、実を言うと非常に興味深いのじゃよ」
「興味深い?」
「うむ……この世界における社会の成り立ちについて、最近勉強したところなのじゃが……この世界の人間は、ハグレと原住民の二種類に大きく分けられ、持っている地力の強さは、基本的にハグレのほうが原住民より上だ、ということになっておる」
「……平均ではそうなりますね。もっとも個人個人で言えば、力の弱いハグレもいるし、力の強い原住民もいるわけですが」
「そうじゃな。とはいえ……わしやマリオンをして厄介と言わしめたのが、原住民であるおぬしら二人という点が、実に面白くてな」

「……んー……」
「なんじゃ、まだフォローが足りんのか。変な声出しおって」
「いや、あのさ。こっから先はさ、たらればの話になるんだけど」
「うん?」



「……もしかしたら、全盛期のシノブだったら、マリオンちゃんやマオちゃんと、一人で渡り合えたんじゃないのかな、って思っちゃって」



「……いや、ちょっと待て。シノブだって原住民じゃろ?」
「ええ、そうなんですけど……全盛期のシノブ先輩は、本当にすごかったんですよ。言葉で語り尽くせないくらいにね」
「おいおい……そこまで大げさな力こそ感じぬが、実際のところは今のあやつだって相当にぶっ飛んでおるじゃろう?」
「今のあの人は、いろいろあって力が流出してしまった状態なんですよ……それでもまだハグレ王国において一線を張るだけの力は残っていますが」
「マジか……ある意味わしよりもはるかに規格外の存在じゃったんじゃな……」

「とは言っても、性根は普通の女の子なんだけどね。ごく普通に泣いたり笑ったり怒ったり、常識外の出来事にびっくりしたり、小心者だったり、だけど後輩をからかう茶目っ気があったりさ?」
「……メニャーニャ、からかわれたのか?」
「思い出させないでください」
「むう……まあ、そう聞くと親近感が湧くのう。わしとて持ってる力に自信はあるが、それだけで食べていけるほど世の中は甘くないしのう……」
「そういえば貧乏生活してたんでしたっけ……」
「うむ。じゃが、そんな生活の中でもいろんな人に優しくしてもらったし、それはハグレ王国の中でも同じことじゃ。メニャーニャの知識やエステルの元気さも見習いたいものじゃよ」
「ほら先輩、マオさんがこう言ってるんですから、いつまでもしょぼくれないでくださいよ」
「んー、わかったー……次に寝る時は良い夢見れるといいなあ……」
「ふむ、わしからも祈っておくとしようか」
「はは、サンキューマオちゃん」
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧可能にする    
プロフィール
HN:
こうと
Webサイト:
性別:
男性
自己紹介:
ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright (c) ざくアクSS保管庫 All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]