らんだむダンジョンのSS。
はむすたブログのこちらの記事に触発されて書きました。絶対こんな感じで悔しがってたと思う。

「ああああああああああああああああもおおおおおおおおおおおおおおおおうらやまじいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
「よ、妖精さんがカウンターの上で激しくローリングしている……！」
「ああああああああああアナンタさんアナンタさんアナンタさんっ！！　今すぐ我々も海に行きましょうよっ！！」
「話が急展開すぎる！？」
「みんなで水着着てキャッキャウフフしましょうよおおおおおお！！」
「嫌だよ！　君絶対セクハラしまくるじゃないか！」
「でもでもでもでもだってだってだってだって異世界じゃむちむちばでぃーの水着姿の女の子たくさんのセクシーイベントが展開されようとしているんですよ！？　私達もそういうのやるべきじゃないですかね！？　乗るしかないこのビッグウェーブに！！」
「全然ビッグウェーブなんて来てないってば。馬鹿なこと言ってないで仕事してよ、もう」
「やだやだやだやだ今日は仕事なんかしたくないセクシー水着イベントが欲しいセクシー水着イベントやってくれなきゃカナちゃん死んじゃうよおおおおおお」
「な、なんか今日は切実というかすごく飢えてるなあ……うーん、でもやっぱり駄目」
「そんなああああああ！！？　慈悲を、どうかご慈悲をー！？」
「だーめ。ここで折れたら妖精さん絶対調子に乗るもの。最初できっぱり断るのが肝心だからね」
「うええええええ……神などいなかった……私はこのまま干からびて死んでしまうんだわ……！」
「だーかーら、馬鹿なこと言ってないで、合成お願いってばー」



「……アナンタ、さすがにそれはひどいのではないか？」



「ありゃ、カンヘル？」
「お、おお、カンヘルさん、いらっしゃい！　も、もっと言ってやってください！」
「ひどいって言われてもなー。それはそれ、これはこれだし」
「いや、しかしカナヅチ妖精には普段からお世話になっているだろう。合成しかり、料理しかり。料金は支払っているが、それだけで腕を振るってくれる礼に足りていると言えるのか？」
「いや、だからってセクハラは……」
「そもそもセクハラが前提みたいに言うが、カナヅチ妖精が最初に言ったのは『海に行きたい』という部分だけだろう？」
「う……た、確かにそういう解釈もできるな……」
「水着姿が見たいという要望自体も、そこまで不自然ではないと思うぞ。……まあ、それでセクハラを連想するのなら、普段がどれだけ酷いのかという話にもなってしまうが」
「お、おおふ……すいませんカンヘルさん……」
「まあ実を言うと、私も海水浴には興味があるのだが。アナンタがあまりにも望みの無い反応をするのが見ていて悲しくなったのでな」
「うーん……そうか。ごめん妖精さん、言い過ぎたよ。カンヘルもこう言ってるし、ちょっとベネッち達にも話をしてみることにするよ」
「お、おおお……あ、ありがとうございますー！！　やる気出てきたー！！」
「いや、邪魔したな。じゃあアナンタ、私も楽しみにしているからな」
「あ、うん、じゃあね」



「……いやはや、意外なところから助け舟が……」
「妖精さん、もしセクハラを企んでるならやっぱりなしにするからね」
「やりませんよ。ついでにちょっと落ち着きましたよ。……まあ正直、アナンタさん達以上に、カンヘルさんの水着姿を見てみたくなりましたがね」
「おいこら」
「最後まで聞いてくださいって。あの人、だんじょん村に初めて来たときも、観光気分で興味津々だったじゃないですか。今の話聞いてたら、海水浴に対しても同じ気持ちなんじゃないかなって思っちゃって」
「あー……なるほど」
「……だから、海水浴イベントに期待しつつ、ちょっとカンヘルさんに似合う水着のデザインを考えてみようと思うんですよ。あ、セクハラデザインはしません、ほんとに自重します」
「前は爪切り作ってあげてたんだっけ？」
「ええ……カンヘルさんはあの姿で不便してることも多いですからね。そういう部分は我々がちゃんとサポートしてあげなきゃって思ってます。……あ、裸エプロンに興奮した件はすいませんでした」
「……今あらためて反省したトーンだったね、声が」
「はい。もっとしっかり時と場合を考えてセクハラしたいと思います」
「セクハラ自体は止めないんだ……」