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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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メニャーニャとイリス。
R-18とGL要素を含んでいますので、苦手な方はご遠慮ください。

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「ふう……」

 腕を伸ばして息をつく。今日も無事に実験を終えて、レポートを書いている最中だった。趣味でやっているとはいえ、没頭してしまってどうにも身体が凝ってしまう。しかしその甲斐あってか、この分だと次の会議までに実験結果を報告できそうだ。
 仕上げに向けて一息入れるつもりで席を立とうとした時――扉がノックされた。

「ヘーイ、メニャーニャ。起きてるカーイ?」

 ……この声は。異国訛りからして容易に察せられる。夜も随分と更けていたが、悪魔ならば起きていても不自然ではないのだろう。けれど、こんな時間に、私に何の用なのか。
 とりあえず部屋の中に入ってもらおうと、ドアを開けた――刹那。

「わあっ!?」

 いきなりお姫様抱っこをされ、そのまますたすたとベッドに連れて行かれ、放り投げられ、のしかかられ。あっと言う間の出来事。
 わけがわからないながらも、押しのけようと手を伸ばした時、目が合った。



 ――私を見下ろしている、その表情。
 イリスさんが、今まで、これほど真剣な顔をしていたことがあっただろうか。

 その顔を見た途端、拒絶の手は動かなくなってしまった。
 目を逸らしたくても、逸らせない。

 吸い寄せられるように、私は、イリスさんの顔を見つめてしまっていた。

 そのまま見つめ合う。
 釘付けにされてしまった私。微動だにせず見つめ返す悪魔。

 しばらくしてから、悪魔は小さく、唇の両端を吊り上げ――



「んんっ……!」

 息を詰まらせてしまい、言葉を紡げなくなる。
 イリスさんが、私の唇をキスで塞いでしまったから。
 口づけられ、腕に抱かれ――もうひとつの腕が、服の下へと伸びる。そのまま、私の胸に触れる。

 身体を、もてあそばれている。

 ――それなのに。
 押しのける意思を見せることが、できない。自分の意思では、身体を動かせない。
 凍りついてしまったように。
 それは、私をもてあそぶ悪魔の力によるものか、私自身が痺れてしまっているのか――わからなかった。

 無抵抗なまま、悪魔の愛撫を受け続けた。





 ――どれくらいの時間が経ったのか。すでに身体は力を失くし、意識は曖昧なものになっていた。
 ベッドに仰向けに投げ出された私の横に、縁に腰掛けるイリスさんの背中が見える。

 また、目が合う。
 イリスさんは顔だけを向けて、不敵な笑みを浮かべる。



「これでオマエは私のものダ。死後は私の死神としてしっかり働いてもらうゾ」



 ――ああ。
 今、そんなことを言うなんて、卑怯だ。



「……今、それを言われてしまったら……断れないじゃないですか」



 彼女の渾名の通りに。
 私は今、この人に、魂を手繰られてしまった。

 そう、明確に自覚してしまったなら――

「……何ダ?」

 イリスさんの背中に、すがりついて。

「……もっと、ください」

 ――自分の声が、自分のものじゃないみたいに響いた。
 さらなる堕落を、求める声。

 悪魔は小さく笑い、告げた。

「――後悔したって、遅いからナ?」





 キスをした。
 舌を絡みつかせて。

 肌を舐められた。
 這うように、伝うように。

 身体を噛まれた。
 契約の証として、傷が残るように。
 それでいて、纏ってしまえば他人には見えないように。

 ありとあらゆる、責めを受け入れて。
 それでいて、私は悪魔の身体に強くしがみついていた。

 お互いに、一糸纏わぬ姿で。
 乱れて、乱れて。
 その時間は、永遠のようにも思えた。





 ――けれど、終わりはやってくる。

「……もうすぐ、日が昇るカナ」

 再び、ベッドの縁に腰掛けながら、イリスさんが呟く。
 私はその横で、再び力を失くして仰向けに転がされている。

 一日の始まりが、迫っている。

「……このことがみんなに知られてしまったら、私は終わりですね……」

 ――悪魔に犯された淫らな姿。非常に大きなスキャンダル。
 もたらされる、破滅。

「――終わらせネーヨ」

 一蹴する言葉。頭を撫でる、悪魔の手。

「オマエには人生をきっちり全うしてもらわなきゃならないからナ……今日のことは、オマエと私だけのトップシークレットサ」

「……どういうことなんです?」

「もしも暴こうとするヤツがいるなら、私が守ってやる。飴玉にして踏み潰してやるヨ」

 ――イリスさんらしい、冷酷なる宣言。



「……ありがとうございます」

「クク、犯されておいて礼なんか言うんジャネーヨ。ホレ、身体を起こセ。背中見せろヨ」

 お互いに笑ってしまう中、言われたとおりに背中を向ける。
 ふわっ、と柔らかい綿の感触が押し付けられた。

「拭いといてやるヨ。さすがにそのまま服は着られネェダロ。朝になったら銭湯行コウゼ?」

「……一緒に居たら誤解されそうな気がしますが」

「だからさっさと朝のうちに済ませちまうんダヨ。ま、実際は誤解じゃなくて正解なんだがナ」

「……そうですね」

 ついさっきまでの行為を振り返れば、私とイリスさんの間に魂の契約が刻まれていることは明白だった。



「けど、あくまで契約が有効になるのは『オマエが死んでから』だからナ――それまでは、憧れの先輩たちを追いかけ続けるがいいサ」

「……嫉妬なんてしないでくださいよ?」

「ハッ、むしろ素直に甘えられずに悶々としてるのがオマエダロ。そんなの嫉妬する気も起こらないネ」

 ……図星だったので息を詰まらせてしまった。
 そんな私を見て、悪魔はからかうように笑った。
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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