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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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イリス、ミアラージュ、キャサリン。
イリス様から見れば無視できない存在であろう人達とのやりとり。

+ + + + + + + + + +

「ハロー。落ち着いたカナー?」
「あれ、イリス。今日は遅いお昼じゃないの……っていうか何よその挨拶」
「アー、今日はちょっとユー達に用があってナ。いつもは忙しそうだから時間ずらしたんだが、今、大丈夫カイ?」
「ユー達……っていうと、キャシーも?」
「イエス。……冥王の娘として、死者であるユー達と話をしてみたくてナ?」
「……何の用だってんだよ。まさかオレ達を冥界に連れて行こうとでも?」
「警戒すんなッテ。本当にただ話がしたいだけダヨ……私もここの土産物屋には色々と世話になってるからナ、自分から潰しに行くような真似はしないヨ」
「……カウンター越しじゃ何だから、席に移動しましょうか。ヘルも呼ぶべきかしら?」
「――いや、あの娘には少々重い話だし、あくまで死者としてのユー達に用があるからナ。オススメはしないゼ?」
「わかったわ。じゃあ、何か適当なものでも頼んでおいてくれるかしら」
「オーケー、UMAカリープリーズ」
「ホントあんたそればっかりだな……」



「で、改めて何の話かしら」
「まずひとつ訊いておくが、ユー達、自身が歪んだ存在だっていう自覚はあるカイ?」
「……無いわけがないじゃない。本来ならすでに輪廻に従っていなきゃならないのよね」
「イエス。だがまずミアラージュ、ユーは無理矢理呼び戻された。その時点で輪廻の理から外れちまった存在ダ」
「……オレやゾンビ人形達もそうなのか?」
「ノー。ユーは少し違うな……まあ、詳しい話は後にさせてもらうが」
「……理から外れたどころか、その気になればいつまでも現世に留まっていられる、それが今の私なのよね。まあ、最近もたらされたマナジャムのおかげもあるけれど」
「ソウダナ。そのへんについてはどうしたいと思ってるンダ、ユー?」
「……未来のことを考えるのは、もう少し経ってからになると思う。今はまだ、こっちの世界でやりたいことがたくさんあるから。生きていた頃はろくにヘルを可愛がってあげられなかったからそれを果たしたいし、ハグレ王国で仮装大会やお土産屋を運営していくのもすごく充実しているし」
「フーム……今を全力で生きるってところカナ。それはそれで悪くない。ユーの場合は立派に社会貢献もしているし、妹の面倒もきちんと見てやっている。そうした行動は、未練の解消と見ることもできる……この部分はキャサリン、ユーにも当てはまる部分ダナ」
「……オレがミア様と違う部分ってのは何なんだ?」
「ユーやゾンビ人形の場合は、死んでから魂がまだ現世をさまよっているうちにミアラージュに雇われたという点ダナ。まだ死後の世界を経由していないって点が異なる」
「ああ、なるほど……」
「加えて、ゾンビ人形として雇われた経験のある奴は、大半が未練を解消した状態でこちら側に来るんダヨ。ああ、結構助かってるゼ? サンキューベリーマッチ」

「……どういたしまして。でも、それで黄泉帰りの罪は帳消しにできるものなの?」

「フツーはできネェナ」

「あっさり言ったわね……」
「本来であれば、一度死んでこっちの世界まで来ていながら、輪廻を介さずに現世に留まるってのは、かなりのルール違反でナ」
「でしょうね……再びそちらの世界に行くことになったら、覚悟はしているつもりよ」
「……理不尽じゃねぇかよ。ミア様自身は何も悪いことなんかしていないのに。先に狂気に走ったのはミア様の両親で、マナジャムがもたらされる前、ミア様を生かすために他の生き物を殺していたのはオレなのに」
「……キャシー。パパとママのことを悪く言うのも、自虐するのも止めなさい」
「本来ならユー以上に、キャサリンや親御サンはかなり厳しいわけだが、ナ」
「……オレだって覚悟はできてるよ。でも、やっぱりミア様の行き先については納得がいかねえ」



「それナ、私がどうにかしてやってもいいゼ?」



「……は?」
「ユー達については特例を適用してやってもいいゼ、って言ってるんダヨ」
「……特例って、どういうことよ?」
「簡単に言ヤア、罪の免除、ダナ」
「……っ、ミア様の罪をか!?」
「それだけじゃない。ユーや親御サン達を含めて、ダヨ」
「……随分思い切ったことを言うじゃないの。そこまでする理由は何? なにか企んでるの?」
「フフン、企んでたとして教える気はネーヨ。ただ、ユー達にとって悪い話ではないはずダゼ。どうしても罰を求めるってんなら別だが」
「そうは言ってもあなた、実に悪魔らしい悪魔なんだもの。それに対して今言っていることからは悪意の欠片も感じないわ。信用していいものかどうか」
「ま、ちょっとだけ心境を言わせてもらうと、私もユーの活動には大いに世話になっているわけダ。アックマンチョコしかり、UMAカリーしかり、射的屋の景品提供しかり。そういうのを含めた善行を、この目でしっかり見させてもらっているからナ」
「……ふうん。なら、その言葉だけは気に留めておくとするわ」
「ハハ、サンキュー。ああ、あと」
「何よ?」



「――妹のことは大事にしてやれヨ。それこそ死後の世界に行ってもナ」



「……ああ、そういうことか……あんたに言われなくともわかってるわよ」
「……ほんっとに悪魔らしくない言葉じゃねえか……」
「まったくダ。どうもこの王国に居るとお人好しになっちまっていけねえナァ」
「満更でもない顔して言うんじゃないわよ」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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