タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。
内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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「うーむむむむむむ……」
「……えらい怖い顔して唸ってますね。何やってんすか、マーロウさん」
「む……君は確か、ニワカマッスル君だったか」
「あー、マッスルでいいっすよ。それよか、どうしたんすか一体」
「いや、クーのことなのだが……私がいない間に、すっかりベルという少年と仲良くなっているではないか……」
「まだ気にしてるんすかそれ。マーロウさんはまだ王国に来て日が浅いでしょうが、ベルのことは認めてやってくださいよ」
「認めるとは何だ!? 結婚をか!? クーにはまだ早い!!」
「誰もそこまで言ってないっすよ!? ……いや、それにしたって、斬りかかるのはやりすぎっすよ。話聞いたときはさすがに不憫に思いましたよ?」
「む、むう……しかしだな……」
「なんて言いますかね……ベルが重罪人だったら、もはやこの世に罪の無い男なんて存在しないと思いますよ」
「……うーむ。君はベルのことを随分と評価しているのだな」
「大体が同じ評価だと思いますよ。デーリッチやヅッチーと同じぐらいの年頃のガキだってのに、道具屋として立派にやっていってるわけですから」
「……うーむむむ。それは見ただけでも認めざるを得ないな……」
「ただ市販の薬を拠点で販売するだけじゃなくて、より効果の高いオリジナル薬を開発したり、時には自分の足で行商に出て稼いできたり。そんな中でも休みが取れれば子供同士で山まで探検に言ったりと、随分バイタリティに溢れていると来た」
「むぐう……」
「で、性格はというと、これがもう王国内でも屈指の常識人でして。そのせいでツッコミに忙しかったり、弄り倒されてテンパったり、まあなかなか苦労もしてるみたいですが……」
「なるほどなあ……少なくとも、何も悪いことはしていないか……」
「それどころか、ですよ。たぶんあいつ、クウェウリさんと本格的に付き合うことになったら、ちゃんとマーロウさんにも挨拶に来るだろうし、幸せにするための努力は怠らないと思いますよ」
「……いや、しかし。その言葉を認めないわけではないのだが、君は随分とベルの肩を持つのだな?」
「正直、あいつがクウェウリさんと仲が良いのはすげえ羨ましいんですがね」
「貴様もクーを狙っているのかっ!?」
「瞬間沸騰すぎぃ!? ……いや、落ち着いて聞いてくださいよ。今でこそ仲良くやってますが、一時期、こじれてたことがあったんすよ、あの二人」
「何?」
「クウェウリさんが王国に来たばっかりで人見知りしてた頃なんですけど、ベルとは同じ獣人だってことでシンパシーを感じて、たびたび夜の散歩に行ってたそうなんですよ。あ、これベルの側が誘ったわけじゃないってのは念を押しておきますよ?」
「む、むう……」
「ただ、俺にはどう見てもデートしか見えねえぞみたいなことをベルに言ったら、その日はギクシャクしちまったみたいで……それに加えて、クウェウリさんもベルの性別を勘違いしてたみたいなんですね」
「あー、それは……」
「ベルの奴、女の子に見えるって容姿にはかなりコンプレックス持ってますからね。クウェウリさんの勘違いが相当ショックだったようで……それからしばらく疎遠になって、クウェウリさんもかなり気に病んでたようで……これ、元はと言えば俺がからかっちまったのが発端みたいなもんだったんで、当時はすげえ居たたまれなかったんすよ」
「……今はまた仲良くやっているということは、仲直りしたのか?」
「ええ、なんとか無事に。俺が発端なもんですから、俺が仲介役やりましたよ。元の鞘に収まったときは心底ほっとしましたね」
「いろいろあったんだなあ……今ようやく、ベルに申し訳ない気持ちになってきたよ」
「まあ、マーロウさんが娘さんを大事に思う気持ちは、それはそれでわかりますが。ベルは本当に良い奴ですから、どうかしばらくは見守ってやっていただけませんかね?」
「うーむ、そこまで言うのなら……私も我慢が必要というか、どうも足りなさすぎるのかもしれんな……」
「いい機会かもしれませんねえ。頑張ってみましょうや」
「あら、パパ? マッスルさんと一緒に居るのは初めてじゃない?」
「あ、クウェウリさん、こんちはっす」
「……クー。聞きたいことがあるのだが」
「何かしら?」
「その、ベルとの付き合いはどこまでいっているんだ?」
「いや、マーロウさん!? それめっちゃ突っ込みすぎた質問じゃないっすかね!? あー、いや、今ちょっとベルの人となりについて話してたんすよ」
「ベル君の話題だったの? ええ、いいお付き合いをさせてもらっているわ。お嫁さんにしたいくらい」
「け、結婚だと!?」
「だからマーロウさんは飛躍しすぎですって!? あとクウェウリさん、その言い方わざとっすよね? アイツ男ですよ?」
「でも実際、彼って何でも器用に出来ちゃうんだもの。お仕事もそうだけど、お料理やお裁縫も私より上手だったわ。だからお嫁さんにしたいっていうのは純粋に褒めている意味もあるのだけど」
「う、うむむむ……」
「『非の打ち所がないではないか』って顔してますね……」
「ああ、それと――マッスルさん、先日は本当にお世話になりました」
「あー、いえいえ。仲直りできたなら何よりっすよ」
「む、それはさっきの話か?」
「まあ、はい。世話したっつっても、発端も俺ですからね。礼を言われるようなことじゃないっていうか」
「でも、あの件でマッスルさんのお人柄もよくわかりましたし、これからも仲良くしていただけると嬉しいです」
「ああ、ありがとうございます。なんか今めっちゃ睨まれてますけど」
「もう、パパったら。マッスルさんだって本当にいい人なのに……」
「調子に乗ってクーに手を出したりしたら許さんからな貴様……!」
「出しませんって! あくまでも俺が言いたいのはベルとクウェウリさんの仲については見守ってやってくれってだけっすよ!」
「ま、マッスルさん……さすがに大声で言われると恥ずかしいわ……」
「あ、す、すんません……」
「ああ、いえ……もう、パパったら、落ち着いてよ」
「うぐぐ……」
「すいません、そろそろ俺はこの辺で。クウェウリさん、あとは任せます」
「わかりました。マッスルさん、お疲れ様です」
「狼パパの相手も大変だねー、マッスル?」
「ハピコ……見てたんなら助けてくれよ……」
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自己紹介:
ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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