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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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こたつドラゴン、柚葉、マリオン。
マリオンちゃんが敵時限定で使ってくるあのピンポイント技についての話。

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「しくしく……マリオンちゃんひどいじゃん、ひどいじゃん……」
「……随分といじけておるな、こどら殿」
「あ、柚葉ちゃんいらっしゃい……だっていじけたくもなるじゃん……しくしく……」
「あれだけ露骨なカウンター対策をされてはつらいものがある、というところかな?」
「柚葉ちゃんはいいよねえ……ちゃんとカウンターできるんだもの」
「普段であればこどら殿のカウンターは私の技の上位互換なのだがな。私の場合は発動したとき限定なのに対して、こどら殿の技は持続性があるだろう?」
「そうなんだけど、マリオンちゃんと戦ったときはその持続性が仇になった気がするじゃん……」

「――ふむ、マリオンを呼んだか?」

「うわぁ!?」
「ああ、マリオン殿。ちょうどそなたのある機能について話をしておったところだ」
「……うーむ、片方は随分と怯えてしまっているな。申し訳ないことをした」
「仕方ないのではないか? 発揮した効果は過剰なくらいだったが、マリオン殿からしても当然の対策だったと言える」
「ほんとに過剰じゃん……アンチカウンターレーザーって、大ダメージ喰らうの私しかいないじゃん……マリオンちゃんひどいじゃん……」
「あまり言わないでやるな、こどら殿。ますますマリオン殿が申し訳なさそうになるだろう?」
「……申し訳なくは思うが、かと言ってカウンターに無対策だとストレートやストライクが通らなくなるからな。太陽や流星の構えを取った時に、その問題はなかなか致命的なのだ」
「でも柚葉ちゃんの過剰防衛の陣には反応しないよね……?」
「……レーザーの発動条件の仕様に穴があったようだ。こたつカウンターは一定期間の持続性があって、それを感知することが条件になっているのだが、過剰防衛の陣は感知する前に構えが解けてしまうので発動できない、というところだな」
「さらに付け加えて言うと、こたつカウンターは引き寄せ効果で他の味方を守る効果もあるから、マリオン殿の戦術を根本から揺るがすことになる。そのため重点的に対策する必要があったということだな」
「柚葉の技やハピコの回避優先主義は、技を発動した本人には攻撃が当たらなくなるが、それならばターゲットを切り替えれば良いという話だからな――とはいえ、十分過ぎるほど厄介なのだが」
「一人でも生き残れば体勢を立て直すチャンスはある……そこを軽んじたのがマリオン殿の敗因の一つと言えるな」
「まったくだ……今はハグレ王国に属してお前達と共に戦うようになって、チームワークの大事さというものを一層実感するよ――特に、味方になるとカウンター役というのは頼もしいな」
「えっ?」
「魔王タワーに挑むようになってからは、お前達二人でより強力な『過剰防衛カウンター』を編み出したではないか。あれは本当にすごい技だな!」
「マリオン殿、目が輝きだしたな?」
「だって、物理攻撃には絶対にカウンターするのだろう? その上引き寄せ効果も上がっているようだし、となればマリオンは防御を気にせず攻撃に集中できるわけだ。その上カウンターで相手自身を痛い目に遭わせるから、結果として敵を素早く殲滅することができる」
「……なるほど、それだけ有用性を力説されると、逆にピンポイント対策も納得が行くというものだな」
「そ、そうかな、えへへ……」
「……こどらよ、レーザーの仕様についてはさっき説明したとおりだが――どれだけ理論を説明しても、その身に受けたお前からすれば納得できるものではないのだろう。理屈だけではどうにもならないものもあるということを、マリオンは学んだ」
「う、うん……」
「……本当に、済まなかった。もしお前が良ければ、今後もマリオンと仲良くしてほしい。一緒に戦う時は、カウンター技も本当に頼りにしている」
「うん……うん! こちらこそ、喜んで! マリオンちゃん、ありがとう!」
「……雨降って地固まる、かな」
「む、それは確か……和国のことわざというやつか?」
「どういう意味なの?」
「もめごとなど悪いことが起こったあとは、かえって基盤がしっかりしてよい状態になることのたとえ、だな。こどら殿の先ほどまでの怯えぶりが嘘のようだ。……しかしマリオン殿も、和国の言葉だとすぐに見抜くとは」
「データベースにインプットされていたのだが……こういう場面ですっと言える応用力が、マリオンには足りない」
「足りないって言って吸収しようとする向上心って、いい意味でロボットらしくないよねー……私も見習わなきゃ」
「というか、こどら殿に一番必要なものではないのか?」
「あ、柚葉ちゃんひっどーい! 私だってたまにはバイトに出たりこたつ喫茶で接客に出たりしてるんだよ!?」
「たまには、の部分を時々や毎日に変えていければもっといいのだがな」
「ぎゃふん!?」
「……マリオンも何か店を持つべきだろうか」
「いや、そう無理をすることもないと思うぞ。常識などもゆっくり覚えていけばいい。時間に追われることもないし、王国の人間たちも誰も急かしはしないさ」
「でも柚葉ちゃんって基本的にまったく空気読まないよね……常識って言葉からは一番遠い人なんじゃないの?」
「むう……さっきの意趣返しか?」
「……仲が良いのだな。マリオンも混ざりたいぞ」
「あはは、いつでも歓迎するよー。私のこたつはフリースペースさー」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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