タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。
内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
メニャーニャ、マーロウ、おまけでエステル。
ストーリーでは最初はいがみあっていたけど、加入後にコンビを組ませるとプラス速度補正の超電磁ビットとマイナス速度補正の雷狼とか、セットで使えと言わんばかりのコンビ。
ストーリーでは最初はいがみあっていたけど、加入後にコンビを組ませるとプラス速度補正の超電磁ビットとマイナス速度補正の雷狼とか、セットで使えと言わんばかりのコンビ。
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「……マーロウさん、少しお話したいことがあるのですが」
「む……あなたのほうから話しかけてくるとは、珍しいですな、メニャーニャ殿」
「まあ、大層なことではないんですが……でも、正直言うとマーロウさんには面白くない話かもしれません」
「……気になる前置きだ。何でしょうか?」
「単刀直入に言いますとですね――」
「私、ケモフサ村秘伝の変装グッズというものの実用性を大変疑っております」
「……疑っている、と来ましたか」
「残念ながら。先日はマリオンさんとマオさんがお世話になったそうですが……見てしまった時はいろいろと大変でした。何がどう、とは言いませんが」
「ああ、なるほど……あれは彼女たちも真剣に悩んでいたようだったから、私なりに何とかしたいと思った結果なのですがね」
「……その前に散々言われてしまったそうですね? ある意味、彼女たち二人とマーロウさんは対極の存在ですから」
「お互いに無いものねだりをしているといったところですな」
「無いものねだり、ですか。それは少し気持ちがわかります。……ですが結局のところ、高身長ブーツについては逆効果になってしまっているようです」
「……ああ、大変だったというのはそういうことですか」
「エステル先輩と一緒に目撃したんですが……曰く『お金が取れるかわいさ』という、本人さん達が聞いたら不服以外の何物でもない評価を頂きました」
「むう、なるほど……だがら実用性を疑うという話に繋がるわけですな」
「……実はそれについては、私個人でももう一件ありまして」
「おや、何でしょうか?」
「ハグレ連合襲撃戦争前に、マリネリス渓谷に潜入することになった時のことです……ああ、マーロウさん的にはこの戦争の呼称は問題があるかもしれませんので、先に謝っておきます。申し訳ありません」
「ああ、いや、お気遣いなく……確か、その時期には既にクーがあなたの側にいたんでしたな」
「ええ。途中でハグレを選別する関所に差し掛かりまして……私は協会の悪魔として思い切り面が割れているので、どうしたものかと悩んでいたら、クウェウリさんが変装グッズを貸してくれたのですが……」
「なぜにあの場面で猫耳と猫尻尾のコスプレセットを用意されたのか……!」
「あー……アルバム部屋で回想できるあの格好ですか」
「やめてもらえますかね!?」
「いや、言っておいたほうがどんな格好だったか確認しやすいでしょう」
「誰向けの発言なんです!?」
「いや、まあ。その場面も、滞りなく潜入するための策だったわけですから。結果はどうだったんですか?」
「ええ、と……まあ、潜入自体はなんとかなりましたよ。心底『ザル警備だ……』と思いましたがね」
「悪意の篭もった言い方をするのですな……」
「ただ、関所を通過後、あんまり恥ずかしかったので途中で変装を解いたら、その後にサハギンと遭遇して追い掛け回される羽目になりましたけどね……」
「……なるほど。しかしそれはメニャーニャ殿からすれば皮肉な結果ではないですかね?」
「ある意味ではそうなんですけどね……役には立ちました。立ちましたがしかし……あれ以来、私が猫のイメージに寄せられるのが決定的になった気がすると思うと、支払った代償はあまりにも大きかったというか……」
「まあ、良いではないですか……悪魔と呼ばれるよりは、ずっとね」
「……そう言われれば確かにそうなんですが……」
「連合を組んでいた頃の私どもからすれば、あなたは紛れもなく悪魔と呼ばれるに相応しい存在だったが……一方でその称号は、随分とあなたを追い詰めてしまっていたようだ。タンポポ山の遺跡で対峙したときは、その様子が目にも見えるほどでしたから」
「……今その話をするのも不思議な気分ですね。あの時は相当にいがみあっていたのに」
「ですが、直後の巨大魔物との戦いでは、憑き物が取れたような雰囲気に変わっていましたな。その後も色々と便宜を図ってくれたようで……あなた自身も未だ、私に思うところがあるはずだというにもかかわらずね」
「……重過ぎる責任を、潰される前に降ろしてしまえと――おせっかいな先輩から言われたんですよ。私のしてきたことがそれで消えるわけじゃないけど、今はひとまずそれでよかったんだと思ってます」
「――本来ならあなたはクーと同じ、まだまだ未熟な年頃だというのに、私と同じものを背負っていたかもしれない……背負わせてしまったかもしれないというのは、大人として恥じねばなりませんな」
「……大人か子供かなんて関係ありませんよ。私が背負っていたものは、暗くて、汚くて、だけど見過ごす事はできないものだった。私だって降ろせるなら降ろしたかったけど、でも、他の人に押し付けるのも怖かったんです」
「ある意味では私もメニャーニャ殿に背負わせてしまった一因ではありますが……その立場で言うのも何ですが、やはりあなたはもう少しご自愛したほうがよろしいかな」
「またそれですか……それにマーロウさんはマーロウさんで背負っていたのでしょう? 同胞のために命をかけていた場面は私も見ていますし、それで私に背負わせたなんて言うのは気にしすぎですよ」
「いや、あなたについては私どものほうから気にしていないと、背負い込みすぎる癖が見られるのでね」
「癖と言われましても……あくまで今の状況は地面に降ろして休憩しているだけなので。逃げるつもりはありませんよ」
「性分なのですな……程々にお願いしますよ。今は同じ王国に属している『同胞』なのですから」
「面と向かって言われるとむず痒くなりますねぇ……それに、最初は変装グッズについての話だけをして終わるつもりだったのに、どうしてこうなったんだか」
「まあ、いろいろと思い出されることがあったので。長話になってしまいましたな」
「ああ、いえ。まあ、話をしたいと言ったのはこちらからですし、お気になさらず」
「いえいえ。なんだかんだ、名画座の件でもお世話になっていますし、何か力になれることがあるならお気軽に声をかけてください」
「まあ、その時はよろしくお願いします。失礼しました、マーロウさん」
「おーっす、メニャーニャおつかれー」
「……いつからいたんですか、先輩」
「んー、マリネリス渓谷の話をしてたあたりから……おいスパナ構えんのやめろ」
「今すぐ頭を強打して記憶から消し去ってもらえませんかね」
「死ぬだろ!? しかも私の記憶から消えたところで、アルバム部屋に残ってるから無理だって。諦めなさい」
「くっ……!」
「おほん……それに、茶化したいわけじゃないわよ。そのあたりからものすごく真剣な内容になったじゃないの」
「あまり大っぴらに話すようなことではありませんでしたけどね……」
「またまたー。あれはあれで大変な決断だったと思うけど、結果としてプレッシャーから解放されてリフレッシュできてるんだから、あんたにとっては良いことなのよ」
「……断言ですか」
「――正直、別にメニャーニャが背負う必要はないと思ってるけど、根本的な話としてあんたは逃げないわよね。それどころかたぶん、背負いなおすつもりでいるんだろう」
「……そうですね。一生向き合っていくべきことだと思ってます」
「でも、ずっとずっと背負ったままでいられるわけがないんだ。ちょくちょく休憩は必要ってことよ。それに、何回でも言うけど――ひとりじゃなく、一緒に背負ってくれる奴らだっているんだからさ。遠慮なく頼りなさい」
「先輩やローズマリーさんがそう言うのはまだしも、マーロウさんからも似たようなことを言われたのはびっくりしますね……」
「いがみあってたのに、ってか? でも結局、王国に属してからは世話焼いてんじゃん、名画座の件とかさ。それにそもそもマーロウさんが無事に王国に属してるのも、あんたの働きかけが大きいじゃん?」
「プリシラさんに弱みを握られているからというのもありますがね……」
「それ、遠まわしに『自分の力だけじゃない』って言ってるわよね」
「言ってませんけど!?」
「隠すな隠すな、先輩はなんだっておみとおべひゃっ!?」
「調子に乗んなっ!!」
「う、うげぇ……動けねぇ……あ、メニャーニャ、お、置いていくなぁ……だ、だれかー……」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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