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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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マオ、マリオン、ミアラージュ。
ちっちゃいかわいいそしてつよい三人のお話。
マオちゃんについてはらんだむダンジョンのネタバレがありますので注意。

+ + + + + + + + + +

「うーむ……」
「どうしたんだ、マオ? 随分と暗い顔をしているな?」
「マリオン、おぬしは何とも思わんのか? 最近どうも周囲からの視線が生温かく感じるのじゃが……」
「そうなのか? マリオン達の成長に感心してくれているのではないのか?」
「そんな類のものではない気がするのじゃが……おぬしの解釈はおっそろしくポジティブじゃな」
「むっ? マリオンには言えないようなことなのか?」
「言えんというか、ポジティブさを打ち消す格好になってしまいそうで言いづらい」
「そんなことを言われると気になるではないか。マリオンは気になってネガティブになってしまうぞ?」
「うーむ、そもそも言わなきゃよかったかのう……」

「――マオちゃんが言えないなら、私が代わりに言ってあげるわ」

「お、おおう。ミアラージュ?」
「どうしたんだ、同輩?」
「いや同輩じゃないから私ロボットじゃなくてゾンビだから。マオちゃんの悩みは大体察しがつくわ……結論から言うと思いっきり逆効果よ」
「逆効果だとっ!?」
「……むむう、やっぱりか。なんとなくそんな気はしておったのじゃが」
「むしろマリオンはリアクションが大きすぎるわよ……気づいてなかったのかしら……」
「せ、せっかく背を伸ばして格好良くなろうとしたのに、ますますかわいいと思われてしまっていたというのかっ!? あまりに計算外すぎて回路がショートしてしまうぞっ!?」
「繊細すぎるわよ!!? ……高身長ブーツに悪戦苦闘しながら健気にがんばる姿は、周囲からすると一層かわいらしく見えるものなのよ。私だって今は二人がブーツを履いていないからかろうじて近づけるのであって」
「……履いておったらどうなるんじゃ?」
「そのまま鼻血を噴いてぶっ倒れて成仏してたかもしれないわね」
「悶えすぎじゃろ!!?」



「なんということだ、ひどく逆効果だったなどと……我々は騙されていたのか……?」
「マリオン、ショックなのはわかるけど、騙すって言い方は酷いわよ。聞けば、そもそもマーロウさんに無茶を言ったそうじゃないの」
「怖い顔が評判で、しかも子供の頃からというから、何か方法を知っておると思ったんじゃがのう……」
「あの人だって好きで怖い顔してるわけじゃないし、散々な言われ様で随分傷ついたらしいわよ? なのにちゃんと悩み相談に乗ってくれたんだから、それだけでも感謝しなさい。逆効果だったと責めるのは結果論でしかないんだから」
「む、むむう……ぐうの音も出ぬわ……」
「……ミアラージュはすごくしっかりしているな。見た目は我々とそう変わらないのに」
「――私も然りよ。好き好んで成長しない身体になったわけじゃないんだから」
「あ、そ、それは済まない……けれど、そうなると、マリオンも生きている限り、ずっとこの悩みと付き合っていかなければならないのだろうか……」
「なんとか折り合いをつけていくしかないわね。不便と思ったことでもある程度は受け入れていかないと、毎回オーバーヒートなんてたまらないでしょう?」
「……背が低いことが発端なわけだが、ミアラージュの場合、高い所にあるものはヘルラージュに取らせたり、ということか?」
「あ、よく覚えてるわね……そうね、それは一例ね」
「なあ、それってヘルラージュにいちいち申し訳ないって思ったことはないのか?」
「え? いや、妹だから特には。向こうもわかってることだしね」
「うーむ、そうなのか……わしの場合、高い所にあるものを毎回他の誰かに取ってもらって、迷惑をかけておると思ったことがあるのじゃが」
「あー、なるほど。マオちゃんはそう思うのね……」
「いちおう、この中でわしについては成長の可能性があると言えるんじゃが、実を言うとそれもちょっと怪しいかもしれん……ここだけの話にしておいてほしいんじゃが」
「何かしら?」
「……わし、生まれてから長くて二年も経ってないと思う」
「……え? ええっ? 嘘でしょ!? デーリッチと同じくらいの背格好だから、十は越えてるんじゃないの!?」
「あくまでも見た目はな。しかし、わしは生まれた時からこの姿だったんじゃよ。ちなみにだんじょん村で冒険者登録をしたときは0歳と四ヶ月じゃった」
「赤ん坊じゃないのよ!!」
「なるほど、ある程度納得がいったぞ。生まれた時からその姿だから、もしかすると年月が経っても姿が変わらない可能性も有り得るのか……」
「そういうことじゃな。だからミアラージュの言うとおり、悩みそのものを解消するより、ある程度折り合いをつけていくほうが良いのかもしれん」
「それに……私は正直、あんまり二人の悩みは解決してほしくないわね」
「む、それはどういうことだ?」
「特にマリオンは落ち着いて聞いてほしいんだけど……二人のかわいさは本当に得難いものよ。マーロウさんだって羨ましがってたって言うし、私としてもすごく癒しになるんだもの」
「そ、そうか?」
「複雑じゃのう。大魔王としては沽券にかかわるんじゃが、癒しと言われて否定もできん自分がおる……」
「少なくとも、かわいいと言われたからって二人の良さが損なわれることなんてちっとも無いわよ。そもそも王国に来る前段階の時点で、二人の実力は広く知れ渡っているんだから……って、よく考えたら私も似たような経緯を辿ってたわ」
「む? ミアラージュも王国と戦ったのか?」
「ええ。ラージュ家の惨劇を清算するため、ヘルに復讐を果たさせるために……だったんだけど、マナジャムのおかげで問題が全部解決しちゃって。それからは身体に不便があったとしても、王国への恩返しと今までしてきたことの罪滅ぼしのために、出来ることは何でもやりたいって感じね」
「……その手腕に疑いの余地無し、だな。マリオンも非常にお世話になったぞ」
「いやあ、アレは自分でもすごくいい仕事をしたと思うわ……こちらこそありがとね」
「何がとは言わんが、アレは反則レベルじゃのう……」
「え、えっ? 何が反則なんだ?」
「察せ。言ってしまったらおぬしにはたまらんじゃろう」
「そうよねぇ……本人を目の前にして言えないのはつらいわぁ……」
「ミアラージュ、おぬしも実は今かなり我慢しておらんか?」
「かわいいは正義なのよぅ……」
「今のおぬしも大概じゃぞ?」
「……やっぱり同輩なのかもしれないわねぇ……」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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