メニャーニャ、イリス。
久々のイリメニャ。

「んーふー……」

　――ぎゅむぎゅむ。

「……イリス様。レポートが書きにくいので離れてもらえますかね」
「いつ終わるかわかんネェのに待てネェヨー。っていうか、結構時間も経ってるし、いい加減肩とか凝ってきてるダロー？」
「地味すぎる心配ですね……」
「地味だけど侮っちゃ困るゼー？　それに、だからこそ今抱き着いてるのは意味があるんだヨ」
「まあ、妙に癒される感じはしますが……」
「フフン、習得するのにメチャクチャ苦労したゼー？　欲しいと思った時に限って、なっっっっっっっっかなか出ネェんだもんヨ……」
「……女神の抱擁ですか。わざわざ次元の塔の第二層を走り回ってたのは、それが理由ですか？」
「オウ、ゼニヤッタの案内を受けつつ、ナ。やっとユーを癒してやれるゼー」
「随分と矛盾してますね……悪魔から女神の癒しを受けるなんて」
「オット、でも私だってある意味では神ナンダゼ？」
「――魔神、邪神、死神、そのあたりですよね。確かに間違ってはいませんが」
「先に言われちまったい……まあでも、ちゃんと回復効果だから、安心してハグされてクレヨー」
「……お気持ちは非常にありがたいのですが、やっぱり書きにくいのはいかんともしがたいですね」
「ソレ、急ぎかい？」
「ああ、いえ、実験のまとめですから、締め切りが迫っているというわけではありませんね……それなら、まあいいか……」
「アー、そう言われると逆になんか悪い気がしてきたが……」
「天邪鬼はやめてもらえませんかね。結局どっちなんですか？」
「イヤ、ウン。せっかくお許しがもらえたんだカラ、このままで居させてもらうゼ？」
「ほどほどでお願いします」
「イエース。アイ、ラブ、ユー、メニャーニャ」
「気安く言わないでもらえませんかね？」
「ツレナイネー……」



（……耳、赤くなってるケドナ）