イリス、メニャーニャ。
ゲーム本編のイリス様が見たら粉微塵にされそうな話。いっそされてみたい。

「びええええぇぇぇぇぇぇぇ」
「ンー？　ワッツハップン？」
「びええぇぇ、ふうぜんがあああぁぁぁ」
「バルーン？　……アー、オーケー、アイシー」
「わだじじゃとどかないのおぉ、びええぇぇ」

（高いところに引っ掛かりやがって……まあ、私のマジックハンドならどうにでもなるんだが）

（……しかし、取り戻してやって、渡す直前でまた手を離してやったら、このガキはもっと泣くだろうナァ）



（…………）



「ヘイ、ガール。ルックアットミー」
「ふえっ……？　お、おねーさん、それ、どうなってるの！？」
「フフン、アイムマジシャンガール。ウェイトアミニッツ、オーケー？」

「――ありがとう、おねーさん！」
「ドーイタシマシテ。もう離すんじゃネェゾー。あと割るなヨ？」
「うん……うん！　おねーさん、じゃあね！」」





「……ハァ」
「なんで素直に人助けをしてるんですか、イリスさん」
「メニャーニャ、どこから見てたんダヨ……いや、なんとなくナ」
「なんとなく、ですか」
「さすがにあんなチビッコに嫌がらせして傷つけて、将来マクスウェルみたいなのになられたらたまんネェヨ」
「イリスさんにしては大げさな心配じゃないですか？」
「……ユー相手に取り繕ってもしょうがネェカ。まったく、らしくネェヤ」
「私はそういうのは嫌いじゃないですけどね」
「ユーの世話焼き性分がうつっちまったカナ……」