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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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イリス、プリシラ。
一人だけスケート場の店舗ブースト効果対象外で寂しい冥王姫さまの話。

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「さあ、ヘル、ゆっくり、そーっと縁を押してみるのよ……」
「え、こ、こう……きゃあっ!?」
「ああんっ、惜しい、ちょっとだけ滑れてたわ……! もう一回よ、ヘル!」
「お、おねえちゃん、わたしやっぱりこわいよう……!」
「諦めちゃダメよ! 諦めなければいつかはあなたも綺麗にスケートできるようになるわっ!」



「……見た目、逆なんじゃネェノ、アレ」
「そのツッコミはローズマリーさんがすでになさってますよ?」
「ダヨナァ……聞けば、最初は恥ずかしげもなく補助器具を使ってたトカ?」
「補助器具が駄目ならスケートなんてしない、とまで言ってましたね」
「ヘタレすぎんダロ……アレで戦いに出たらクッソ強い風魔法使いだってんだから、人間ってワカンネェヤ……」
「本人は戦いに出るのは嫌そうですけどね」
「ま、それは別におかしなことじゃないんだがナ。王国の連中は大概が平和主義なんだろうし――私みたいなのがイレギュラーなだけダ」
「とびっきりの、っていうか侵略の意志を剥き出しにしてますものね、イリスさん」
「それなのに叩き出されネェンダカラ、とんだお人好し王国ダゼ、ハグレ王国ってのは」
「まあ、私は個人的に恩もあるからですけどね。繰り返しになりますが、巨大魔物戦争の時はお世話になりました」
「感謝されることじゃネェヨ。あそこは死力を尽くさなきゃ、私だって生き残れなかった。別にユー達のためじゃネェゼ、プリシラ」
「まあ、受け取るのはそちら次第ですが、感謝するのもこちらの勝手ですよね?」
「……ったく。私はそういうのは柄ジャネェんだがナァ」



「――ところでこのスケート場って、ユーの提案なんだってナ?」
「ええ。おかげさまで黒字続きの大盛況ですし、ハグレ王国にも随分と恩を売れるというものです」
「恩を売る、か。なんだかんだで妖精王国の影響力を高める目的があるわけダナ?」
「――どの国にも負けない力を。かといって対立するのではなく手を取り合うことを目標に。力がなければ、対等な関係を築くこともできませんからね」
「ナイスビジョン、ダナ。まあ、それはいいんだが……正直、私は王国入りした時期が悪かったナァ」
「ええ?」
「いや、このスケート場ってサ、生産力ブーストかけたら特定メンバーに常時強化がつくダロ?」
「ああ、なるほど。私と福の神様と雪乃さんとゼニヤッタさんに氷属性と敏捷性のボーナスがつきますね」
「……私だけなんダヨナァ、ボーナスつかないのって」
「あら、寂しいんですか?」
「オイ、イラッとくる返事ヤメロ。……私だって氷の悪魔なんだからボーナスにあやかりたいモンだが」
「無くても十分過ぎるぐらいにお強いじゃありませんか。そもそも最初はひとりで私達の相手をされてたくらいですし、味方になってくれてからも氷属性勢としては頭一つ抜けた攻撃力をお持ちですし」
「けどナァ、地竜やマリオンは店舗ブーストで強化が入るし、マオの奴はボーリングで負けて帰ってくるたびにちょっとずつ強くなるし……私だけ、そういうのが一切無いんだよナァ」
「……やっぱり寂しそうに聞こえるんですけど」
「アー、ソーリー。ちょっと愚痴っぽくなっちまったゼ……スケート場が出来る前に王国入りしてたら、私もカウントされたのカナ?」
「って言っても、ちょうど私は帝都防衛戦の時に初めてハグレ王国の皆さんと一緒に戦ったんですけど、イリスさんもそうじゃありませんでしたっけ?」
「いや、あの時点で私があの場にいるのは本来なら無茶ってヤツダゼ……ヤツラ、ユー抜きで私をねじ伏せヤガッタカラナ……」
「雪乃さんがものすごく頼もしかったとかなんとか」
「私の力にも平気な顔して耐えやがるからナ……ま、でもそのおかげで、あの時点からメニャーニャの人となりを確かめることができたってのは収穫だがナ」
「随分と惚れ込まれているようですが」
「ただの人間にしちゃ相当な逸材ダゼ、アイツは。……潰してくれるなヨ?」
「……まあ、どうも私は帝都にものすごく嫌われているみたいですけども。ただ、メニャーニャさんとは約束もしていまして」
「どんな約束ダ?」
「――短期的にはどちらかが損をするようでも、最終的にはどちらにとっても有益となる関係を築けますように、って」
「ホウ?」
「メニャーニャさんも苦労人ですからね。プレッシャーをかけすぎて潰れられてしまったら、妖精王国にとっても重要な窓口を失うことになりますから」
「もうちょっとソフトな言い方してやれヨ……」
「あはは、イリスさんからそう言われるとは。シビアに聞こえるかもしれませんけど、私なりに気にかけているつもりですから」
「本当カヨ……金に関しちゃエゲツネェって聞くゾ」
「冥王姫さまにそこまで疑われるとなると、ある意味誇らしく思えますね♪」
「声弾ませるんジャネェヨ、チクショーメ……」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
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