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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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メニャーニャ、イリス。
メニャーニャさんの常時強化についての話。こちらの考察からヒントを得て書きました。

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「……フーム、暗黒のメーティス、ネェ」
「いきなり何ですか……というわけでもなさそうですね、イリス様?」
「オウ。悪魔としてはメチャクチャ気が惹かれる二つ名ダゼ、メニャーニャ?」
「誰が呼び始めたかは知りませんがね」
「自分から名乗るようなキャラじゃないモンナ、ユー」
「……メーティス、というのは知恵の女神の名前だそうですが」
「『手段と目的に、モラルが天秤にかかっていないことから、知恵の女神の名を借りて、そう呼ばれた』だそうだが……」
「……ハグレ王国に来る前は、がむしゃらに物事を片付けていましたからね。その姿が、周りからはそう見えていたのかもしれません」
「誰もオマエの内面に気づいてなかったってトコロカナ? 味方は英雄と讃え、敵は悪魔だと怖れ――実際のオマエは年相応のちっぽけな人間だったってのにナ?」
「……上手く反論できないのが腹立たしいですね……」
「ハハ。ちっぽけはちっぽけなんだから、ずっとずっと無理する必要なんかネェンダヨ。そりゃもちろんオマエの力が必要な場面もあるだろうが、全部が全部じゃない。他のヤツに押し付けちまったってイインダゼ?」
「……はあ。相変わらず遠まわしな気遣いをなさるのですね」
「そりゃナ、オマエには潰れてもらっちゃ困る。なんせ、この私が見込んだ人間なんだからナ?」
「本物の暗黒に目をつけられてしまいましたか……まあ、お供はさせていただきますけれども」
「クク、話が最初に戻るわけダナ。ま、ヨロシク頼むゼ、メニャーニャ」
「……はい」



「ところで暗黒のメーティスってのは、オマエ専用の常時強化の名前でもあるわけだが……大仰な割には少々地味な効果、ダヨナァ。三属性への少しの耐性と能力低下無効とは」
「……耐性の強さにしても、イリス様やエステル先輩のように、ひとつの属性に特化した方には及びませんしね」
「その分、対応力の広さが強みになっているはずだけどナ」
「……どうでしょうか。結局のところ、私は雷に偏っていますので。それはスキルを見ればわかっていただけるはずです」
「でも、別に雷が必要とされる場面でなくてもそこそこ働けるダロ、ユー」
「それはイリス様にも言える話ではありませんかね。素の攻撃力が非常に高いから、別に氷が弱点でない相手に対しても普通に押しきってしまえますし」
「ンー、オマエと私じゃベクトルが違うだけの話ってコトカナ。私と同じベクトルって言ヤァ、むしろエステルあたりか」
「……あの人もあの人で、実技に関しては天才なんですよね」
「ソウダナ、正直言って私でも身震いするほどの炎の資質ってのを感じるゼ」
「……機械で補ってもなお、火力という点では私は追いつけませんが」
「ンー、コンプレックスでもあるのか? スキル構成からするとそのへんは割り切ってるモンだと思ってたが」
「割り切ったつもりではありますが……時々、思い出してしまいます」
「フム?」
「――三属性の耐性にしても、防御だけじゃなく攻撃に使えたらなって思うこともありますから」
「……そういえば召喚士協会で聞いた話だが、魔法を学ぶ際にはまず防御から入る、だそうダナ?」
「ええ、自分の魔法で怪我をしては話になりませんから。ローズマリーさんやヤエさんは独学なので耐性は無いらしいですが」
「それでも普通の人間なら一属性特化になりやすいところ、オマエは三属性に耐性を持ってる、スゴイ! って言ってるのがいたが……」
「……実際にはもっと、遥かにすごい人が居ますからね」
「――シノブか」
「説明するまでもないくらいに規格外の存在で、ものすごく憧れましたけれど……結局、私はシノブ先輩のステージにはたどり着けなかった」
「……けどまあ、まず目指そうとするヤツが稀少なんじゃネェカ? あれだけの力を前にして、スタートラインに立つことすら諦めるだろうヤツが多い中でサ」
「第三者視点ですね……まあ、その言葉はその言葉で、今となってはありがたいのですが」
「――当時は第三者がどう言おうと、シノブに追いつけないことそのものが挫折だった、ってことダロ? ま、わからんではないサ」
「その上、シノブ先輩もエステル先輩も協会を去ってしまって。私だけが取り残されて――」
「ストップ。今はちゃんと、オマエの手を引いてくれているダロ?」
「……そう、ですね、はい。すみません」
「――それに、シノブが規格外すぎただけで、オマエにだってちゃんと才能があった。むしろシノブという存在がいたことで、オマエはそれを目指して才能を磨き続けた。結果として、帝都最終兵器として頼られる地位にまで昇り詰めた。ディス・イズ・グレイテスト・リザルト、オーケー?」
「……結果よければすべてよし、ですかね」
「さらに言うなら、今はオマエとシノブが一緒に居るんだから、叡智を結集してこの世界に革新をもたらすことも出来る――侵略するにあたっても魅力が増すってもんダ」
「……それ、私はどっちに加担すればいいんですかね」
「イヤ、オイ、なんで迷うンダ。オマエはこっちの世界の人間ダロウガ」
「従者でありながら敵対することになってしまいますが」
「生きてるうちからその関係を強要するつもりはネェヨ。オマエはオマエの守りたいものを守れ。だいたい私だって、この世界を手に入れはしたいが、壊したいわけじゃないんだからナ」
「――なんだかんだ、過去二回の戦争では力をお貸ししてくれましたね。巨大魔物戦争に至っては、マナを消耗しすぎて後で倒れたとお聞きしましたが」
「……過去にローズマリーが同じ症状に陥ったことがあるんだってナ。まさか冥王姫たるこの私がそんな目に遭うなんて、思いもしなかったが」
「プリシラさんから話は聞きましたが、私からも礼を言わせていただきます」
「ヨセヤイ、あの場面は私自身のために必死だっただけだし、誰だってそうだったはずダ。感謝されるなんてむず痒くなっちまうゼ――危機を乗り越えたって結果だけ喜んどきゃイーンダヨ」
「……ふふ、そういうことにしておきましょうか」
「ワーラーウーナーヨー」
「ああ、笑われるのはお嫌いですか? 悪意ではないんですけどね?」
「ニヤニヤ系ジャネェカヨ……オマエだってそういうのは苦手なクセニー」
「まあ、ニヤニヤされるのは苦手ですが、するのはなんとなく、暖かい気分になりますね」
「悪魔カヨ……」
「あなたがそれを言いますか。まあ、お互い様じゃないでしょうか?」
「……ハァ、確かにナァ」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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