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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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イリス、ドリントル。
最初はショートショートまとめにしようと思ったのですが、この2人でどこまで会話を続けていけるかを試してみたくなって、結果として単品になりました。

+ + + + + + + + + +

「ヘーイ、カレープリンセスー。隣、いいカーイ?」
「イラッとくる呼びかけはやめんか……どうせならコーヒープリンセスと呼んでくれ」
「イヤ、だってこれみよがしに自分でPRキャラやってるカレー食ってんジャン」
「それ、わらわが知らんうちにPRキャラにされておったんじゃが……」
「今更イメージの撤回すんのも難しいダロ。諦めも肝心ダゼ?」
「まあ、子供たちと戯れるのも悪くはないしのう……というか、今日はおぬし、UMAカリーではないんじゃな?」
「イエス、こっちのカレーも好きダゼー。ま、私の味覚基準で言うとマイルドだけどナ」
「福神漬けもセットか……随分気に入っておるんじゃな?」
「ま、福の神にもユーにも感謝しなきゃナ。サンキュープリンセス」
「……まあ、その言葉は素直に受け取っておくかな?」



「で、唐突だけどココでクエスチョンデース」
「なんじゃ、いきなり」
「ユーから見て、私とゼニヤッタ、どっちのほうが悪魔っぽいデスカー?」
「はあ? ……そんなのおぬしに決まっておるじゃろ、侵略者め」
「オーウ……まあ、今みたいなストレートな訊き方したらそうなるだろうナ」
「見た目で言えば、おぬしは人間そのものなんじゃがな。ゼニヤッタみたいにツノを生やしておるわけでもなし、尻尾や羽が生えてるでもなし」
「けどまあ、実際のところゼニヤッタは悪意とは無縁の存在だヨナ……ただ、ユー、一度そのせいで酷い目に遭ったって聞いたゾ?」
「……ゲソコーヒーの件か。あんまり思い出させんでくれ、正直言ってめちゃくちゃショックじゃったんじゃが」
「向こうに悪意がなかったから断りきれなかった、ダロ?」
「そのとおりじゃ……ああ、なんとなくおぬしの言いたいことがわかったぞ」
「フーム?」
「――時には悪意ある悪魔より、悪意なき悪夢のほうが恐ろしいこともある、ということじゃろ?」
「オー、イエース。実際に悪意剥き出しの私は二回も返り討ちに遭ってるワケで」
「……だが、おぬしが何を言おうが、わらわの意見は変わらんからな? あの事件とて、ゼニヤッタに非はないのじゃから」
「ま、だろうナ」
「あとから王国入りしたわらわが言うのも何じゃが、ゼニヤッタは王国に溶け込もうと頑張っておる。時には商売の上でこたつドラゴンと組んだりしておるし、ゲソコーヒーにしても趣味の創作料理の一環で、たまたま近くにいたわらわに披露したに過ぎぬのじゃからな」
「……話は逸れるけど、アイツのセンスは私でも理解しがたいところがあるゼ……そういやユー、ゼニヤッタと私の漫才、見に来てたよナ?」
「舞台の上で明らかに呆れておったな、おぬし。スマイル無用の冷たいコントとは、わらわにはシュール過ぎるわ……」
「他にも、持ち込み芸術審査のキリンの色、なんだアレ……」
「要するに、色々と前衛的なのよな……何故か魔法タイプなのに攻撃力も高いし」
「ユーとしちゃ、サポートのし甲斐があるんジャネェノ?」
「いや、わらわの支援を必要とせずとも、ダブル噛み付きで自己強化できるようじゃから、微妙なところじゃな」
「……ウーン。今の話を踏まえた上でもう一回さっきの質問、イイカ?」
「うむ、ちょっと回答が変わるかもしれんな。なんだかんだでゼニヤッタも悪魔なのじゃな……」
「まあ、王国に溶け込めてるならドントウォーリーだけどナ。ただアイツ、デーリッチに忠誠を誓ってるクセに、私にも人懐こく話しかけてくるんダ。不思議なヤツダヨ」
「おぬしもおぬしで、めいかいQのアシスタントに採用したり、アックマンチョコのレアキャラにしたり、気にかけておるよな?」
「イエス――ま、同じ悪魔としてのよしみサ。いつかアイツが悪魔社会に飛び込んでいくことになったら、私が後見人を務めてやってもいいと思ってる」
「……ゼニヤッタは随分な例外のようじゃが、悪魔社会というのはおぬしみたいなのがひしめきあっておるのではないか?」
「バーカ、悪魔だっていろんなヤツがいるサ。人間だって同じ性格のヤツなんか滅多にいないんだからヨ。むしろアイツがひねくれたヤツに騙されないように、私がバックにつくってコトサ」
「おぬし、基本的に騙すほうじゃろ」
「ハハ、それは否定しないが――純粋さで言えばデーリッチもそうだが、ゼニヤッタは悪魔でありながらってのがナ。そういうのは本当に貴重なモンだから、大事にしたくもなる。慕ってくれてるんだから、なおさらダ」
「随分まともなことを言っておるのに、いまいち信用に欠けるのう……」
「ヒッデェナー。信じてくれたってイイジャネェカヨ」
「日ごろの行いが良くないせいじゃろ」
「グエー、グウの音もデマセーン……けど、ドーセ良くしたところで怪しむンダロー?」
「前科二犯じゃからな、おぬし」
「アイエエエ……インガオホー……」
「いや、どこかで聞いたようなフレーズを使うんじゃない」
「サヨナラは嫌デース……」
「自重せんのじゃなぁ……」





「ところでイリス、さっきゼニヤッタの純粋さの話でデーリッチを引き合いに出しおったが……」
「ワット?」
「そもそもおぬし、デーリッチのことはどう思っておるんじゃ?」
「アー、一言で言ヤァ、バカ、ダナ」
「ひどいっ!?」
「実際バカなんだからしょうがネェジャン、めいかいQでベロベロスに大差つけられてるし。まあアレはベロベロスが意外と賢いのもあるケド」
「まったくフォローになっておらんというか、それは擁護できぬなぁ……」
「あと、なんといってもバカがつくレベルのお人好し、ダナ。メチャクチャ騙されやすい性格してやがるンダ、アイツ」
「……騙そうとしたら承知せんぞ?」
「イヤ、マア、最後まで聞いてクレヨ。シノブの救出作戦の後サ、ちょっと謙遜気味だったってのに、ゼニヤッタにおだてられて、すーぐ調子に乗りやがッテ。見てて『なんでこの国乗っ取れねえんだろ……』って正直スゲエ呆れたワケサ」
「……そうまで実感を込めて言われると、反論しづらいではないか」
「そもそも私が王国入りするときのやりとりにしても、私がバレバレの演技して、真横でローズマリーが思いっきり警戒してたってのに、実にあっさり受け入れてくれて……バカなヤツ、って心の底から思ったヨ」
「……そのへんにしておかぬと、銃を抜かせてもらうぞ?」
「抜くナ抜くナ……だけど、デーリッチがそんなバカみたいなお人好しじゃなかったら、私はここに居ないダロウ」
「む?」
「今こうしてハグレ王国の一員で居られることについては、純粋に感謝してもいるのサ――アイ・ハブ・リスペクト、キング・デーリッチ」
「……それは、良いカモだという意味ではなかろうな?」
「少なくとも、今言ってるのは違うヨ。この王国はサ、面白いんダ。冥界に閉じこもってただけじゃ得られないものがたくさんあって、ベリー・チアフリィ」
「――むう。その言葉はひとまず信じようか」
「ハハ。そもそもデーリッチがどうにかしてくれなきゃ、私は次元の狭間に閉じ込められたままだったし、それでもってアイツラは力を示しもした。デーリッチがお人好しであっても、周りは私の悪意に気づいていて、それでも私を受け入れてくれて、そうして楽しい思いをさせてもらってる――今のユーとの会話も含めてナ?」
「……わらわだけではなかろう? 福ちゃんを始めとする神々勢や、召喚士の三人組とも仲が良いと聞くが」
「まあ、福の神は言わずもがなだが……召喚士三人組との関係性については、ユーにはそろそろ言っちまってもいいかもナ。前にチラッと言ったケドサ」
「む、エステルやメニャーニャからも伏せる意向があったという話か?」
「イエス。私の一存だけじゃなんとも言えないケド、ユーだって私にとっちゃアイドルユニットのパートナーだしナ」
「壁は作らずにいたい、ということか?」
「そういうことダナ。……なんだかんだ、王国の中でいろんな付き合いが出来た。侵略は進まなくとも、それはとても楽しい」
「――ふむ」
「……あえてひねくれた言い方をさせてもらうケドサ」



「この王国を奪うのは、私でなければならない」

「私以外の誰かが奪おうとするのは、許さない」

「誰かが奪おうとするのなら、王国に加担してでも、潰してやるサ」



「……独占欲丸出しの侵略者、とでも言わんばかりじゃな」
「実際、諦めちゃいないゼ? 欲しくて欲しくてたまらないサ」
「素直に『ハグレ王国が好きだ』とでも言っておけばいいものを……」
「私がそんな素直に言ったってシンジネェダロ、ユー」
「まあ、言われてみれば確かにな」





「……デーリッチにしてもサ、騙されやすそうだったり、こんなのが国王だったら乗っ取るのも簡単ダナって思ったりするんだけど、サ」
「おいこら、また不穏なことを言うでないわ」
「イヤ、ウン。ケド少なくとも今は、本人を不幸にしようとか陥れようとか、そんな気がまったく湧かネェンダ」
「うん? どういうことじゃ?」
「……王国ゲームブック読んだんだけどサ。あれって元になった出来事はノンフィクションナンダロ?」
「ああ、うん……異世界転移事件はちょうどわらわが王国入りしてすぐぐらいの頃じゃったな」
「その部分サ、デーリッチを捨て石にしようとしたヤツラが出てきたらしいが――ソイツラの描写サ、読んでて普通にキレそうになっちまったンダ」
「あー、なるほど……思い返してみれば、おぬしの仕掛けたハンバーガー侵略やアックマンチョコって、誰も深刻なレベルの酷い目には遭っておらんよな……」
「むしろ酷い目に遭ったのはどっちも私ダヨ、チクショウ」
「今の話の流れから行くと少しかわいそうじゃが、自業自得じゃろ」
「ダヨナァ。……なんだかんだで私も、デーリッチのバカがつくほどのお人好しっぷりに影響を受けてる実感はある。アイツに何かあったら、私なりに守ってやりたいって思ってる」
「結局、本音が出ておらんか? さっきは格好をつけておったくせに」
「ま、隠したいわけでもないしナ」
「やれやれ……まあ正直、そうやってどんどん影響を受けてくれるほうが、わらわも肩肘張らずに済むのじゃがな」
「フーム、そうして警戒心ユルユルになってくれると、こっちも都合がいいかもナー?」
「おいこら、ぶっちゃけるな。お互いに台無しじゃろうが」
「ネバーマインド♪ 私は悪魔の姫君、ユーは正義の姫君で、対照的で良いジャン?」
「あくまでも悪魔というスタンスを貫くつもりか……あ、洒落じゃないぞ?」
「貫くも何も、そもそも悪魔だしナ?」
「頼むから本当に肩肘張らさんで、もうちょっとリラックスさせてくりゃれ……」
「揉んでやろうカ? 普通の手とマジックハンドと、どっちがイイ?」
「いや、どっちも遠慮する。ランチが終わったらこたつ喫茶にでも行こうかのう……」
「ヘイ、今日はついてくゼー?」
「リラックスさせてくりゃれと言うておるのに……」
「ドントウォーリー。ドーセこたつに入ったら私だってヘナヘナの無害になっちまうサー」
「本当かのう……まあ、勝手にするがよい」
「サンキュープリンセス♪ 今日は全部奢るからサ、一日デートしようゼ?」
「まあ、そこまでしてくれるならな。今日は信用するからな?」
「オーケー、じゃあ行こうカ。あ、カレーゴチソウサマデシター」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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