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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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イリス、ベル。
この話はまずざくアク水着イベント日記8の冒頭のやりとりを読んでいることが前提になります。

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「はあーぁ……あれでよかったのかなぁ……」
「オイオーイ、辛気臭い顔してカウンターに立ってんじゃネェヨ」
「っ、うわぁ!? すすすすみません、いらっしゃいませ……って、イリスさん!?」
「ナンダ、そんなに驚くコトネェダロ。ちょいと薬を発注したいんだが?」
「え、ええ? 発注、ですか?」
「オウ。最新の特製携帯薬とリカバー薬と特製リバース、それにメンタルグランパを注文したい。あ、数はこのリストに載ってる」
「あ、はい……ええ!? ものすごい数じゃないですか!?」
「アー、一週間後に私の部下に取りに来させるから、それまでに用意しといてくれナ?」
「ええっと……どうしてこれだけの数が必要なんです?」
「ま、大したことじゃないんだが、ウチの闘技場の薬売り場をリニューアルしようと思ってサ」
「あ、なるほど……」
「チャンピオンの座に着いているハグレ王国に挑みたがるやつらも多くてナァ。だったら設備も充実させてやろうかって、そんな話サ」
「はあ、それはどうも……まさか冥界から贔屓にされるなんて。わかりました、用意しておきます」
「サンキュー……しかしその前に、ダ」
「ええ? 何でしょうか?」
「さっきみたいな辛気臭いツラされてると、どうもしっかり仕事してくれるのか、不安になっちまうナァ?」
「あ、す、すみません……気をつけてしっかりやりますので。大口の注文ですから、なおさらです」
「気をつけるのはいいが……そもそも、何かあったノカ? あれでよかったのか、とか聞こえてきたケド」
「え、ええっと、プライベートなことなので……というか、イリスさんに話しちゃっていいのかな、嫌な予感がするなぁ……」
「ウーン、それは私が悪魔だからカ?」
「ええっと……」
「ナンダ、ハッキリシネェナ。ま、私じゃなくても、早いところ誰かに相談してみるんダナ。今のままじゃ、いつかボロが出るゼ?」
「……イリスさんは、どうしてそんなに親身になってくれるんですか?」
「フフン♪ さあ、なんでだろうナ?」
「答えてくれないんですか……うーん、でもなんだか悪い気がしてきたなぁ」
「ン、ドースル?」
「……聞くだけ聞いていてください。実は――」





「……ナンダソリャ。というかオマエ、むしろよく今まで我慢してたナ……」
「まあ、我慢できなくなっちゃったから、プリン連合を抜けたんですけど……でもそのせいで、デーリッチちゃんやヅッチーと気まずくなっちゃって」
「ま、しばらくは仕方ネェンジャネーノ。ここであっさり距離を戻したら、またたかられちまうゼ? むしろオマエはアイツラと比べてよく働いてんだカラ、もっと贅沢したっていいくらいダ」
「……そうなんでしょうか……?」



「――ハンバーガー」
「えっ?」
「――チョコレイト、ミルクキャンディ……アンド、プディング」
「イ、イリスさん? いきなり何を言ってるんです?」

「――オマエ、私の屋敷に招待してやろうカ?」

「え、ええっ!?」
「――オマエの好きなモノ、好きなだけ食わせてやるヨ。デーリッチにもヅッチーにも、誰にも邪魔されることなく、好きなだけ贅沢していっていいんダゼ?」



「だ、だだだ、駄目です、だめですだめですっ!!」
「ホワイ?」
「ものすごく露骨な悪魔のささやきじゃないですか!?」
「ンー、嘘じゃないゼ? オマエが望むなら用意してやるヨ?」
「もっと駄目ですっ!! その誘いに乗ったら、何というかもう……堕ちる一方じゃないですかっ!!」
「ソウカー? 贅沢はキライカ、オマエ?」
「……嫌いじゃないですけど、贅沢に浸かりすぎると、何か大事なものが駄目になっちゃう気がします」
「ンー……ソウカ、乗ってこないカ。さすがに魔王タワーで私と対を為す天使役をやってるだけのことはあるナ」
「なんですかそれ……」
「ま、オマエがイラナイっていうなら無理強いはしないケドサ。ただやっぱり、時にはプチ贅沢ぐらいしないと、ストレスで潰れちまうゼ? 似たような心配されてる科学者サンも居ることだしナ?」
「……メニャーニャさんのことですか?」
「イエス。働き者なトコはオマエと似てるナ。つーわけでホレ、これ買い取ってクレヨ」
「え、これ……カキ氷スペシャルですか!?」
「ちょうど今、こたつ喫茶とおむすび本舗で共同キャンペーンやってるみたいなんでナ、自分用に買ってきたんだが……オマエにやるヨ。一応『売った』って体で頼むヨ」
「い、いいんですか?」
「ネバーマインド♪ というか、さすがにコレ断られると悲しいゼ?」
「わ、わかりました……ありがたく頂いておきます」
「オーケー。じゃ、仕事のほうもよろしく頼むゼー?」
「わかりました! 今後ともよろしくお願いしますー!」









「ずばっ!!」
「ずばばばばっ!!」
「わあっ!? で、デーリッチちゃんにヅッチー!?」
「見たでちよ!」
「ああ、見たぞ!」
「み、見たって何を?」
「とぼけるんじゃないでち! さっきイリスちゃんからカキ氷スペシャルをもらってたでちよね!?」
「なあベル、ヅッチーとベルは友達なんだから、分けてくれるよな!?」
「デーリッチとも友達なんだから分けてくれるでちよね!?」
「ええー!?」
「なんだよ、何か不満があるのか!? ひとりで寂しく食べるよりみんなで分かち合うほうがいいに決まってるだろ!?」
「そうでちよ! そもそも全体成長アイテムなんだからベル君ひとりじゃ食べられないに決まってるでち!」
「さあ!」
「さあでち!」
「え、ええっと……あっ!?」
「なんだ!?」
「なんなんでちか!? はーやーくー!!」
「い、いや、デーリッチちゃん、ヅッチー、うしろ!?」
「は? うしろって――」



「ギャー!? か、体が浮いてるでちー!?」
「あ、ていうか、後ろ襟掴まれてる、はーなーせー!?」



「……ヤレヤレ、案の定ダナー」
「あ、イリス、こらっ!? ヅッチーたちとベルの話に首突っ込むなよ!?」
「は、離してでちー!? デーリッチは何も悪いことしてないでちよ!?」
「どの口が言うんだコラ。さっそくカキ氷スペシャルを横取りに来やがッテ」
「え、ええっと……」
「べ、ベル君助けてでちー!?」
「なあベル、ヅッチーとベルは友達だよなー!? 助けてくれるよなー!?」
「デーリッチとも友達でちよねー!? は、早く助けてー!!」
「…………、ごめん。僕からは手を出せないや」
「ギャー!? うらぎりものぉー!?」
「ベルぅー!! お前ってそんな薄情な奴だったのかー!?」
「散々な言い様ダナァ、オイ。こりゃ本気でお灸を据えてやらないとナァ……というわけで、図書室で参謀サンが待ってるゼー」
「ひぃー!? やめて、ローズマリーの説教だけはやめてー!?」
「わ、わかりました、もうしないからはーなーしーてー!?」
「ククク、わめけわめけ。国王と女王の悲鳴はたまんネェナァ?」
「きぃー!? イリスちゃんのおにぃ、あくまぁー!?」
「ナニ当たり前のこと言ってンダ。ホレ、行くゾー」
「だーれーかーたーすーけーてぇー!!?」



「あ、あの、イリスさん! 今日は本当にありがとうございました!!」
「イイッテコトヨー。カキ氷、大事に食えヨー?」
「で、デーリッチも食べたいでちぃー!?」
「ヅッチーも食べたーいー!!」
「ガキども……いや、餓鬼どもメ。言っとくが、私が証人になるカラ、しらばっくれたって無駄ダカラナー?」
「びえっ、逃げ場なしでちぃ……!!」
「神などいなかった……!!」
「神でも罰を下すレベルダロウガ、まったくヨォ」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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