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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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ヘルラージュ、マオ、マリオン、ティーティー。
「ざくアク版深夜の真剣お絵描き60分一本勝負」で、「ヘルラージュ・ティーティー・マオ」のお題で書いたSSその1。

+ + + + + + + + + +

「マオちゃん、じゃがいも、さつまいもっ♪」
「なんじゃその歌っ!!?」
「マオちゃんのかわいさを表した歌ですわ♪ ついつい歌いたくなっちゃう♪」
「やめんか、わしは大魔王じゃぞ! そんなこと言われてしまったら威厳も何もあったものではないではないか!」
「あーん、そのぷりぷり怒る姿もかわいいですわー!」
「話を聞けーっ!!?」
「ヘルラージュ、やめないか! マオが困っているだろう!?」
「きゃー、マリオンちゃんまでおそろいなんて、かわいさの宝石箱ですわー!!」
「んなあっ!!?」
「どこかで聞いたようなフレーズを使うなよ!? というか自重せんか、マリオンをオーバーヒートさせる気かっ!?」
「自重ですって!? 二人を前にして自重しろだなんて、拷問っ!?」
「マジショックな顔をするのやめいっ!?」
「……へ、ヘルラージュ、その、悪気がないのはわかっているが、マリオンからもお願いだ、自重してくれないか……」
「おい、だいぶ熱くなっておるぞ……」
「うううー……そんなこと言われてもぉ……」

「――というか、静かにせんか、おぬしら」

「あ、ティーティー様……すまぬ。つい感情的になってしもうた」
「いや、まあ話は聞こえておったから、マオやマリオンに謝らせるのはちと酷なものじゃが――どちらかというとヘルラージュのほうが非が重かろう」
「そんなっ!?」
「おぬしとしては最上級の褒め言葉なんじゃろうが、二人にとってはコンプレックスじゃからな。あまり刺激するものではないぞ?」
「わかってくれるのか、ティーティー様……!」
「マリオンも様付けするんじゃな……」
「でも、でも本当に、二人のかわいさったら……それこそ大魔王級なのですよ? 人造人間工房の売上げだって、毎月この子たちがトップ争いをしているんですもの」
「そんなにかっ!? い、いや、大魔王としてそれはまずい気がするぞっ!?」
「どうしてですの?」
「どうしてもこうしても、かわいいという評判ばかり広まって、大魔王の威厳がますます失墜してゆくではないかっ!?」
「いや、それは待つのじゃ、マオよ」
「なに?」
「おぬしはハグレ王国にいる分には、魔王だということは明かしておらんじゃろう? 確か魔王タワーでも、エルフの女王との話で、市井を歩く分には内密にしておくと言っておらんかったか?」
「ああ、そういえばそうじゃった……」
「現状は、あくまで魔王タワーの頂上に鎮座するおぬしこそがまことの大魔王である――見た目は子供でも、その実力をわしらは嫌というほど知っておる」
「……思い出すだけでも寒気がしますわ。マオちゃんの力は炎がメインであるはずなのに、アバドンストームで放つ風の力は、私でも危ないと思いましたもの」
「雷にしてもそうだな。マリオンに匹敵するものを内包している」
「ふふん、そういう褒め方はすごく気持ちがいいぞ?」
「――実力はハグレ王国のメンバーの誰もが認めておる。ゆえに今や、おぬしが魔王であると疑う者はメンバーにはひとりもおらぬ。ならば、威厳そのものはいささかも揺らぐことはなかろうて」
「……じゃが、かわいいと言われるのはやっぱりなめられている気がするぞ?」
「ヘルラージュにそんな意図はなかろうよ。だからといって堂々とコンプレックスを刺激するのは褒められたものではないが」
「……なあ、マオ。そういえばミアラージュも、マリオンたちのことをかわいいと言っていたが――ミアラージュの場合はなぜか素直に聞けた気がするんだ」
「……そういえばそうじゃな。ミアラージュはちゃんとわしらに言って聞かせるように話をしていた気がする。今のティーティー様みたいに」
「お、おねえちゃんずるい……!」
「何もずるくないわい。とはいえ、わしらも言いすぎた。人造人間の売れ行きが良いことに対してまで否定的なことを言うてしもうたし」
「うむ、ヘルラージュの店に貢献できているのなら、マリオンは嬉しいぞ」
「う……うううぅぅ……やっぱりかわいいぃ……!!」
「自重したらしたで、ものすごく身悶えておるのう……すまぬ、マオ、マリオン。我慢してやってくれ」
「ティーティー様が謝ることではないんじゃが……この有様を見てしまってはな」
「ミアラージュもこんな感じだったな……我々は罪なことをしているのかもしれない」
「相手に我慢させるのもそれはそれで考えもの、ということかもしれぬな」
「――ひらめいたぞ、マオ!」
「おお? なんじゃ?」
「ヘルラージュ!!」
「え、ええ?」



「我慢なんてしなくていいぞ! 今日は思う存分、マリオンのことをかわいいと言ってくれていいぞ!!」



「…………」
「――あれ?」
「マリオン、いきなりなにを言うとるんじゃ。ヘルラージュが固まって――」



 ――ぷしゅー!!


「あれーっ!?」
「お、おいヘルラージュ!? 煙が出ておるぞ!!?」
「……いきなりタガを外されてオーバーヒートしおったのう。耳まで真っ赤になっておるぞ?」
「へ、ヘルラージュもロボットだったのか!?」
「そんなわけないじゃろ!? あー、倒れおったー!?」
「やれやれ……これはまずいのう。わしでは人を呼べん」
「あ、じゃったらわしが呼んでくるぞ! ろ、ローズマリー! ヘルラージュが倒れたのじゃー!!」
「なんてことだ、マリオンのせいで……」
「ちょっと極端すぎたのう。まあ、わしも付いててやるから、看病してやるのじゃな。ヘルラージュも本望じゃろうて」
「すまないティーティー様、お願いする……」
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こうと
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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