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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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ヘルラージュ、マオ。
1つ前のSSと同様の作品です。今回はらんだむダンジョンのネタも入っています。

+ + + + + + + + + +

「うーむ、秘密結社ヘルラージュ、か……」
「あら、どうしましたのマオちゃん? 入会希望ですか?」
「たわけ、大魔王たるもの、そうそう簡単に誰かの傘下に入ってたまるか。引き入れたくば、わしに力を示してみるがよい!」
「ハードルが高すぎますわっ!!?」
「あ、またショックな顔をしておる……いや、すまんが入会希望ではなくてじゃな。なんというか、おぬしの風貌や秘密結社の名前から、思い出すものがあるのじゃよ」
「思い出すもの、ですか?」
「うむ。実を言うとだんじょん村においても、非常によく似た名前の小さな組織が活動しておった。『秘密結社ヘル』と言うんじゃが」
「被りまくってますわっ!!?」
「ああ、しかしあっちはラージュはつかぬがな。ヘルという女総裁とそこそこマッシブな構成員二名の小さな貧乏組織なのじゃが」
「び、貧乏組織……う、うちと一緒にしないでほしいですわ!」
「いや、誰もヘルラージュのほうが貧乏組織とは言っておらんぞ!? ……じゃが、同じだんじょん村で活動しておるうちにアナンタ達と鉢合わせて、ダンジョンエネルギーを巡って戦闘になったらしいんじゃが……」
「……どうなったんですの?」
「ある程度は戦えたようじゃが、アナンタ達には全く歯が立たんかった……と思いきや、秘密兵器として超かっこいいフォルムの魔導兵器を持ち出してきたそうじゃ! その名もゲッコーストーム!」
「名前からして格好良さしか感じないですわっ!?」
「まあ結局、兵器自体に欠陥があったり、中の人たちの連携が残念だったりで、最終的には返り討ちに遭ったそうじゃが……それでも強さそのものは本物だったと聞いておる。そして今でもたまに、その魔導兵器が持っておったゲッコーブレードで、アナンタとアイちゃんがごっこ遊びをしておるな」
「まるっきりヒーロー的な存在感しか想像できないですわ……」
「まあ、あの格好良さはこっちの世界で言うところの超合金アルフレッドに通じるところがありそうじゃがな。なあヘルラージュ、おぬしらもそういったかっこいい魔導兵器というのは持っておらんのか?」
「え、ええ? 今聞いた話だけでもすごくびっくりしたのに、私たちが持ってるわけないですわよ?」
「……じゃよなぁ。魔導兵器そのものはメニャーニャが所有しておるようじゃが」
「あれは確か、オリジナルはトゲチーク山の地下の古代都市に存在していたものと同型で、それをメニャーニャさんが復元したものと聞いていますけれど」
「あれもあれでなかなかの性能じゃとは思うが、ゲッコーストームと比べると、なんかこう、ワクワク感がのう……」
「私に言われても困りますわよ……そもそも私自身は、機械とは縁のない人生を過ごしてきましたから。秘密結社を立ち上げたのも、元はといえば復讐のためでしたし……」
「……なぬ? 随分とおぬしらしからぬ単語が出てきたな?」
「――ラージュ家にまつわる、悲劇の話です。明るい話ではありませんわよ?」
「……先に謝らせてくれ、すまぬ。軽い気持ちで魔導兵器うんぬんなどと言ったが、おぬしの背景を知らなさすぎたな」
「いいえ。悲劇と言っても過去の話ですし、今はそれを乗り越えて頑張っているところですから。デーリッチちゃんやローズマリーさん、それに加えて――復讐の対象だったけど、本当は私のことをとても想ってくれていた、おねえちゃんのおかげで」



「――っ……」



「……マオちゃん? どうしたの?」
「っ、い、いや、なんでもない。気にしないでおくれ」



(……見とれてしもうた)

(……普段の姿は随分とヘタレなやつじゃと思っておったのに)

(――吹っ切れたような、どこか危ういような……そんな感じの、綺麗な笑顔じゃったなぁ)



「……ちょっと気が変わったぞ」
「マオちゃん?」
「秘密結社ヘルラージュに仮入会させてもらえんか」
「え、ええ? 唐突ですわね? あ、でも歓迎しますわ!」
「おぬしたちの活動に混ざって、社会勉強をしてみたくなった。あ、でもナスビスーツは……」
「そ、そうと決まれば早速マオちゃんサイズのスーツを作らなきゃ! あ、あとおねえちゃんたちにも知らせてこなきゃ!」
「いや、話をちゃんと聞けーっ!!? って、もう行ってしもうた……」





「えーっと、もういいかしら……」
「おや、ミアラージュではないか。ヘルラージュならさっきお前を呼びにいったところじゃが、入れ違いか?」
「いや、実は途中から話を聞いてたんだけど……うちの妹が申し訳ないわね」
「いやいやいや、最初に絡んだのはわしじゃし、申し訳ないことなどちーっともされておらんよ。聞いておったのなら話が早い、仮じゃがしばらく秘密結社の世話になるので、よろしく頼む」
「ナスビスーツはいいの?」
「早速作らなきゃってはりきっておったし、どうにでもなれって感じじゃな……」
「正式会員になるつもりはない?」
「考えさせてくれ。そのための仮なのじゃからな」
「ふふ、まあ妹ともどもよろしくね、マオちゃん♪」
「ああ、よろしく頼むぞ?」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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