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タイトルどおり、pixivなどで書いたざくアクSSの保管場所です。 内容に差異はありませんが、ショートショートにまとめられていた話などは細かく分けられています。
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キャサリン、イリス。
タイトル通り『ハンバーガープレゼンテーション』の続編。

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「――フーム。良い仕上がり、ダナ」
「どーも。こんな感じで良かったか?」
「イエス。なんだかんだ、料理に関しちゃイイ仕事するネ、ユー」
「ありがとさん。あんたに褒められてもちっとも嬉しくないが」
「ホワイ? 素直に受け取ってくれてイーンダゼ?」
「商売敵だろうが。今回のアイデアの元になったハンバーガーだって、一度流行ればこっちのレストランの売上げに響くんだよ。こっちは美味しい料理を安く提供するのに四苦八苦してるってのに、あんな適当そうな食い物に客を取られるなんて、腹が立つったらありゃしない」
「だから適当じゃないハンバーガーのアイデアを提供したデース」
「どうだか。これを足がかりにまた侵略を企んでるんじゃないのか?」
「だったとして、コイツが流行って困ることでもアリマスカー? コイツの売上げはそっちのレストランに入るし、だからってマージンを請求したりするつもりはアリマセーン」
「言葉通りならありがたい話だが、どうにもうさんくせえ……」
「チェー。信頼を勝ち取るのはナカナカ難しいデスネー」



「そもそもアイデアどおりに作ってはみたが、あんたの味の好みとはかけ離れてるんじゃないのか?」
「『ベジタブルバーガー』……確かに、正直なところもう少し辛味が欲しいネ。とはいえ、足りないなら後から味を加えればいいだけ、まずは基礎が大事ネ」
「褒め言葉って受け取っていいんだな? ……まあ、ミア様やヘルさん、ローズマリーさんにも好評だったしな」
「ナンダ、もう他の人間にも試食してもらったのカ?」
「そりゃあな。場合によっちゃ商品化するんだから、関係者には知っておいてもらわないと」
「私は後回しデスカー?」
「あんたは確かに関係者だが、過去の経緯のせいでうさんくささが拭えないから後回しだ」
「オーウ……インガオホー、デスネー。ところで試食と言やァ、ユー自身は食ったのカ?」
「当たり前だろ、悪くない味だと思うぜ? ……ただ、自分の味覚だけだと、自信はない」
「ン? ホワイ? ……表情に影がかかってんゾ?」
「――この体はあくまでも人形だ。ミア様のおかげでオレは確かに生きているし、五感もしっかりあるけど……人間だった頃とまったく同じかどうかまでは、よくわからない」
「……五感、あるのカ」
「ホラーハウスのゾンビ人形たちだってカレー食ってるしな。今話題にしてる味覚もそうだし、視覚、触覚、聴覚、嗅覚、全部揃ってるよ」
「それがラージュ家の交霊術ってやつカ……人間にしては随分と大層な力ジャネェカ」
「ああ、実質そのおかげでオレはもう一度生きさせてもらってるし、そのことは感謝してもしきれないくらいだけど……一方で、オレはもう人間じゃないんだ」
「――人形に魂を吹き込まれた存在、だったナ」
「ああ。そんなオレが五感を持ってるってだけで、相当に凄いことだと思う。……でも、それは無理矢理に付与されたものだから、普通の人間、普通の生き物よりも鈍いものかもしれない。だから、オレはコックをやってるけど、新しい料理を開発するときは、自分の感覚だけに頼ることはできない。他の人が美味しいって言ってくれて、初めて自信を持って出すことが出来る」
「……ク、ククク」
「おい、笑うところじゃねえよ」
「ソーリー。ユーがコックなら、ハグレ王国の台所は安泰ダと思ってナ」
「はあ?」
「多数の支持を確認してから商品化するって基礎を踏まえてる。動機からすると相当に神経を使ってると見える。そのプロセスを大事にするなら、このレストランの支持は末永く続いていくだろうサ」
「商売敵に保証されてもな……」
「ハハ、そうは言ったって私もよく利用させてもらってるんだからサ。今更言うまでもないダロ?」
「まあ、UMAカリーのお得意さんではあるけど……」
「イエス。それに、今回の件だってそんなに敵意持たず、文化交流ってことでひとつ。この世界への文化流入ってヤツは、冥界に限った話じゃないダロ?」
「……確かにな。そこまで言うんだったら、せいぜい利用させてもらうとするよ」
「ヘイヘーイ。もちつもたれつ、ってナー」
「油断ならねえ……」
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ざくざくアクターズというフリーゲームの二次創作をやっています。ネタが思いつくかどうかは気まぐれなので不定期更新。
主な活動場所はpixivで、この場所はあくまでも保管庫として活用しています。
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