クラマ、福ちゃん。
ゴースト予報局ではキリッとしたスーツ姿ですが、いつの間に着こなし方を覚えたのかと……

「えーっと、乱れてるところは無いかな……」
「あら、クラマ君。これからお仕事かしら？」
「あ、福の神様、おはようございます。はい、これからゴースト予報局に」
「今日もスーツが決まっているわね？」
「あー、はぁ……ありがとうございます」
「ふふふ、照れちゃって。人気も聞こえているわよ？」
「そうですか？　まあ、評判が良いのは何よりです」
「今後も頑張ってらっしゃい。……ところで、素朴な疑問があるんだけど、いいかしら？」
「何でしょうか？」
「いえ、いつスーツの着こなし方を覚えたのかしら、と思って。少なくとも天界に居たころは、そういった姿を見たことがなかったのだけど」
「あー、いつと言われればハグレ王国に来てからなのは間違いないです。予報局を提案する準備の一環として、ですね」
「いつもの格好では駄目だったの？」
「アルフレッドさんがメインの顔ですからね。俺は脇役です」
「脇役……にしては、いつもと比べてかなりギャップがあるから、すごく目立つ気がするけど」
「まあ、ポッコは盛大に笑ってやがりましたが……そりゃあまあ、身内からはギャップのことはよく言われますが、普段のお客さんの印象としては上手い具合にナンバー２に収まってる感じです」
「ナンバー２、ね。ふふ、やっぱりなんだかんだで目立ってるんじゃない」
「あー、言われてみれば。まあ、こういう仕事もやりがいはありますよ」
「ギャップと言えばもうひとつ、スーツ姿のクラマ君は普段と違って言葉遣いも綺麗よね？」
「格好にふさわしい清潔さも求められますからね。身が引き締まる思いです」
「そのうちゴースト予報のみならず、クラマ君が単独で王国周辺の時事を伝えるニュースキャスター番組があっても、いいかもしれないわね？」
「はあ？　……俺が単独で、ですか？」
「イメージしたら似合うかもと思っただけよ。もっとも、あなたやハピコちゃんは空が飛べて行動範囲が広いから、そうした情報収集や伝達の仕事も向いているでしょうし」
「なるほど……まあ、でしたら検討してみます」
「あら、嬉しい♪」